龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

くだらない正論を撒き散らすな

そもそも風俗の仕事に従事している女性を、性的搾取の「被害者」のように扱うことが間違っているのだよ。性的搾取という言葉自体が、よくもそんな手垢の付いた時代遅れの決めつけを、恥かしげもなくできるものだなと思う。確かに広義の大雑把な分類で見れば、「搾取」であるのかも知れないが、それを言うのであれば、資本主義社会の労働者は全て資本家に搾取されている訳であろう。風俗業界で働いている女性だけを特別扱いする必要性があるのか。ましてや被害者なのかということだ。そういうことを平然と発言する人間は特定のイデオロギーに偏り過ぎていて、世の中のことがよくわかっていないのだと思われる。性的な搾取という表現が適切なパターンとは、借金のかたに債権者に本人の意思とは無関係に強制的に売られてきて、その店から逃げ出せないように軟禁状態に置かれて働かされたり、どこかのプロダクションと契約させられてAVに出演させられるようなケースを言うものである。それが、性的搾取である。日本にあってもそのような人身売買に近いアンダーグラウンドな性の問題は、ないことはないであろうが、恐らくは全体のマーケットの1%にも満たないのではなかろうか。岡村君がラジオで発言していた風俗の女性たちは、今は確かにコロナの問題で生活が困窮してという特殊事情があるので誤解を生む社会背景があることを失念していた岡村君の責任はあるであろうが、基本的には自分たちの意思で、身売りされるような悲壮感などかけらもなく(売られた訳ではないので当然のことだが)、むしろあっけらかんとして生き生きと働いているのではなかろうか。その仕事をやりたくてやっている訳ではないというなら、風俗嬢でなくても、健康食品のテレホンセールスや苦情受付係でも何でも同じではないか。どんな仕事でも誰かに雇われて働いている限りでは、時間や精神を拘束されて労働で得られた利益を資本家や経営者に搾取されているのだから、辛いものである。仕事という括りで見れば、風俗もそれ以外の労働も結局は同じであろう。若い女性が特別なスキルや経験がある訳でもないのに、仮に一日で数万円、一カ月で100万もの金を得るのであれば、そしてそこに通う男性が1時間もないような短い時間内に、何の男女の情愛も感じられないような無味乾燥な機械的な作業で精子を放出させられて、1万円も2万円も支払うのであれば、どう考えても性的に搾取されているのは男の方ではないか。だから私は日本の全ての男性にそんな所にわざわざ搾取されに行くなと言いたいのであり、自分の意思で風俗で働いているに過ぎない女性を被害者のように論じる偽善的な姿勢に腹が立つと同時にその浅薄な倫理感がおかしくて笑ってしまうのである。風俗産業で本当に女性の意思に反した人権蹂躙の身売りに近いことが一般的に横行しているのであれば、それは行政や法律の問題であるが、そういう状態が放置されていることは考え難いものであるから、単に労使の合意の上での職業選択の自由ということであって、岡村君の発言も本質的な問題性があるとは言えないものである。女性の同意があっても金のやり取りがある状況で性行為が行われることが許されないというのであれば、そもそも結婚という制度自体が何よりも真っ先に否定されるべきではないのか。愛の有無など結婚制度とは何の関係もない話しではないか。婚姻届を役所に提出に行った時に、役人から「そこに愛はあるのか」などとサラ金のCMのような確認をされるであろうか。まあそういうことを言うと語弊や誤解があるかも知れないし、私は何も風俗と結婚を男性側の観点から同一視しようなどというつもりは毛頭ない。そうではなくて、世の中にはくだらない皮相的な正論を主張する人間があまりにも多過ぎるからそういう極論になるということだ。それに私は、風俗を女性蔑視や搾取の問題としてではなく、大便や小便を排泄する性の便所のように利用することは自らの品位を貶めることになるだけだから自分のためにもやめた方がいいという意見である。風俗はパチンコと同じである。パチンコは人間をダメにするけれど、風俗は男をダメにする。言い換えれば、パチンコは人間劣化で、風俗は男性劣化の社会問題である。君子危うきにではないが、女性も男性も自分の精神性を貶めるような場所に行くべきではない。まあそういう私も過去一度も行ったことはないとは言わないが、そういうことが理解できる年齢になった段階で、行こうとしても足が向かわなくなる。そういうものだと思う。