龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

暴走するフェミニズム

差別や貧困に問題があることは当然であるし、否定すべきことではないが、それでもタレントの岡村君に対する藤田孝典氏の発言内容には私は疑問を感じるし、またその糾弾姿勢にはある種の危険性が潜んでいるような気もする。具体的には藤田氏と大竹まことさんのラジオの対談を読んで、その思いを強くしたものである。

https://radsum.com/archives/14277

藤田氏はそこで、岡村の発言には擁護のしようがないから、行動が求められるとして、貧困で生活困窮している人々や、女性の支援活動、夜の仕事をしている人などの生活支援をしている団体の声を聞いたり、活動に参加したり、寄付するようなことを期待すると言っているのである。何を岡村に期待するかは藤田氏の勝手なのかも知れないが、率直に言って私はその発言を見て、お前は裁判官なのかという憤りを強く感じたのである。それではまるで岡村が犯罪者の扱いではないか。裁判官が犯罪者に対して、更生の道を歩ませるために奉仕活動を進めているようである。そこには社会に対して民間人が一つの問題提起をするという謙虚さがまるで感じ取れない。謙虚さどころか、ある特定の状況において(この場合はフェミニズム的な断罪)、異論を許さずに一つの画一的な理念やイデオロギーをあてはめて、その型に合わない対象者を問答無用で反省させたり、処罰や排除をすることが当然だと考える姿勢は、ファシズムの源流であるとさえ言えるのではないのか。私は個人的には岡村の風俗発言よりも藤田氏のその強圧的な姿勢の方が危険性があり、憂慮されるものだと思う。仮に岡村の発言の問題性が大きいのだとしても、政治家でもあるまいし、単なる芸人の不用意な失言はそれ以上でもそれ以下でもないものであって、本人がその間違いに気付いて一旦謝罪すればそれで済むべき話しのはずである。それを社会に話題提起しただけの人間が、罪人に対するかのように奉仕活動や寄付を求めるとは、一体、何様のつもりなのかということだ。タレントの影響力は大きいといっても岡村の出演しているANNは、関東の特定地域でのみ視聴できるそれも深夜番組で、ごく一部の限られたリスナーだけが知っているような内容を、全国的な問題として周知せしめたのは藤田氏自身ではないのか。もちろん黙って聞き流せばよいというものでもないのかも知れないが、政治家の発言であればともかくも、お笑いタレントの悪意のないうっかりミス的な失言をここまで大きく政治問題化させることは、わたしには善意とか正義というよりもあざとさの印象を強く受けてしまうものである。それから風俗と女性の貧困や搾取について、藤田氏は自分の一面的な見方や問題意識に過ぎない見解を全体化させて、そこから岡村発言の問題の大きさを認識しているようにも感じられる。今回のコロナ禍や2011年の東日本大震災の時も同様であるが、経済困窮によって生活できなくなったり、学費や奨学金の返済が出来なくなって風俗に流れ込んでくる女性も確かに存在するのかも知れない。それを期待するような発言は許されないという意見は正論なのであろうが、全体のごく一部を突いている主張である。岡村に罪があるとすれば、それはその場に相応しくない不謹慎な発言をしてしまったというだけのことであり、まあ言ってみれば粛然と静まり返った葬式の場で大きな音のする屁をこいてしまったようなものであり、本来は一言謝れば済まされるべきことのはずである。しかし肝心の貧困は、たとえ岡村がその放屁の償いに奉仕活動や多少の寄付をしたところで解消されるようなことではなくてあくまでも政治の問題であるはずだ。それならどうして政治家でない岡村をここまで悪者に仕立て上げる追及をする必要性があるのかということだ。それから女性への性的な搾取ということに関しても、一つ断言できることは、どんなに経済的に困窮していようとも、風俗で働くという気持ちのない女性はそういう所で働くということは人身売買で売られるのでもなければ、まず有り得ないであろうということである。反対にそれほど金銭的に困窮している訳でなくとも、風俗で働くということに心理的な抵抗感のない女性も世の中にはたくさん存在しているのである。むしろそういう仕事が短期間でお金もたくさん稼げて、楽しいと感じる女性も多いであろうし、そういう感覚の女性が風俗業界に集まっていることは否定できない事実であろう。これは女性蔑視や女性の職業の選択肢の問題ではなくて、基本的には本人の意思によるものである。嘘だと思うのであれば、風俗の店に取材に行って風俗嬢に聞いて見ればよい。あなたがたは性的な搾取の被害者なのですが、そのことについてどのように感じていますかと。ほとんどの風俗嬢は、きょとんとして質問されている意味が飲み込めずに黙ってしまうであろう。自分の意思でこの仕事をしているのに、被害者だなんてそういう風に考えたこともないというのが彼女たちの本音であろう。要するに一口に女性と一括りにまとめても、そういう性的な意識は個人によって極端に言えば、天と地ほども違うのである。それを一つのイデオロギーにあてはめて、女性蔑視だ搾取だなどと言っても、それは単なる政治運動であり、パフォーマンスであって、現実の何も説明していないということだ。もうひとつ言えば、これも偏見だと言われるかも知れないが、風俗で働いている女性はお金にルーズであることが多いのだと思われる。ホストクラブにはまってしまって消費者金融から借金をしてしまったり、分不相応なブランドの服やバッグなどをたくさん買い集めて、お金に困り風俗に流れてくるようなタイプが大半なのではなかろうか。そういう女性たちも社会の経済や景気浮揚に貢献している訳だから第三者が否定したり、批判すべきではないのであろうが、被害者なのではなくて自業自得なのである。むしろ前回にも述べたようにそういう場所で多額の金をつぎ込んでしまう男の方が全体的な経済の視点で見れば、性的搾取の被害者だと見れるものである。藤田氏の発言は、岡村の不謹慎ではあっても大して罪のない失言を政治利用しているだけにしか私には見えない。はっきり言うが、日本のフェミニズムなどインチキで偽善でしかない。藤田氏のような論者が日本社会における一つの権威となり、検察官や裁判官のような断罪者としての使命感を行使しようとするのであれば、私は今後、日本のフェミニズムがいかにインチキの偽善であるかをワーワー言うのではなく、冷静に大衆の誰にでもわかり易い、かみ砕いた言葉で説明していくつもりだ。時間はいくらでもある。