龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

世界単一通貨は21世紀の課題だ。

取り敢えずは、あれだな。イギリスのEU離脱決定による世界的な経済、金融の混乱を最小限に抑え、早期に終息させるために為すべきは、私はイギリスが自国通貨のポンドを廃止して、EUの共通通貨であるユーロを採用することであると考える。つまり、これまでとはイギリスとEUとの関係性の条件を反対にするということだ。通貨は共通にして経済の流通性を維持させる代わりに、EUが定める様々な法令や規則の制約からは除外されることにする。その選択がイギリスにとってもEUにとっても、いや世界全体にとって最善なのではなかろうか。そんな都合のよいことをEUが認める訳がないと言われるかも知れないが、認めるべきだと思う。今のままではポンドもユーロも共倒れなるだけのことだから、双方にとってメリットがないのは明らかであって、取り敢えず通貨だけは共通化させた上で、関税とか人の移動や投資などの今後の在り方を2年なら2年という期間をかけてじっくりと検討しながらイギリスを離脱させるべきだ。ともかく今の時代は、通貨価値の激しい変動が世界経済に過激な影響を及ぼしていて、一体何のための為替なのかという根本的な疑問を持たざるを得ない。為替はその過激な変動によって、世界経済における恒常的で中核的なリスク要因にしか成り得ていない。さらに極論めいたことを言わせていただければ、FXをやっていてこんなことを言うのも何だが、もう今や21世紀の時代は外国為替とか単独の通貨など不要なのであり、世界共通の単独通貨で充分ではないのか。これほどまでに情報が地球の隅々まで瞬時に駆け巡り、グローバル化が進展しているのに、今尚、複数の通貨が存在して、複雑でリスク要因でしかない通貨経済システムの維持、存続になぜ固執しなければならないのか。円も日本人ならあって当たり前のように考えている人がほとんどなのであろうが、突き詰めて考えれば本当に必要なのかどうか疑問である。言語と言うものは誰もが、母国語に愛着もあるであろうし、いきなり廃止、禁止されると大いに困るものであり、歴史やナショナリズムとも密接に関連するものであるが、果たして自国の通貨に愛着を感じている人はどれほど存在するのであろうか。はっきり言って、私は円に何の愛着も未練も感じない。ただの記号ではないか。別に円がドルやユーロになっても一向に構わない。今回のイギリスのユーロ離脱のように、日本とは何の直接の関係もない他国のイベントで、これほど円高になって日本経済が大打撃を蒙るリスクや損失を考えるなら円などという独自通貨がないほうがいいのではないかという発想にはならないのであろうか。私は本気でそう思うのであるが。また、こういうことを考えなければ世界の本質は見えてこないのである。仮に世界が単一通貨を採用することになれば、一体誰がどのように困ることになるのかということだ。別にドルならドルでもよいのである。ただその場合のドルとは、アメリカの国家権力から離れた世界単一通貨としてのドルなのであって、アメリカだけでなく世界中の国家が通貨発行権を失うということを意味するものである。世界全体を統括する世界銀行が、各国の中央銀行にそれぞれの条件によって単独通貨のドル(別に名称は何でもよいが)供給していくこととなる。通貨発行権を失った各国は、自国の経済状況に応じて金利だけを独自に設定することとなる。さてこの方式で何か問題があるであろうか。経済交流はより一層に促進され、為替相場などという煩雑かつ複雑で、リスク、コストにしかならない問題は綺麗に消滅するではないか。では、そうさせないように誰が、どのような理由で文句を言うのかということだ。ここまで言えば多くの人はおわかりであろうが、世界銀行が単独通貨の発行を行うことになると、世界中を流通する貨幣量を適正にコントロールする使命、役割を担わされることになるであろうということだ。そうなると自然に貨幣量は経済の実体に即した規模に収斂していかざるを得ないということである。その基準は、たとえば各国のGDPであったり、人口や資源量であったり、技術力や労働賃金などによって定められることになるであろうが、いずれにしてもそのような実体経済のみを反映した通貨政策の在り方は、ごく一部の富裕層が無限大に所得を増やしていくための限界にしかならないのである。限界にしかならないけれど、その在り方こそが貧富の格差や、戦争要因や、環境問題も含めて世界全体を健全化していくための唯一の道なのである。今のポンドやユーロの暴落や、円高も表面的にはイギリスのユーロ離脱という政治的な問題としてしか見られていないが、本質的には実体経済の恐らくは何十倍、何百倍もの浮遊した莫大な金が、その時々で最適な居場所を求めて瞬時に移動するゆえに、経済や国家そのものを危機に導くほどの破壊力を有してしまっているところにあるのである。それだけ世界には天文学的なほどの金持ちが存在していて、世界の安定を裏側から阻んでいるのである。世界全体が不安定、不均質、不健全でなければ、ごく一部の超富裕層はより一層の富を得ることは不可能だからだ。こういうことを言えば、根拠のない陰謀論だなどと一括りにされる傾向にあるが、そういう類型化の問題ではなくて資本主義世界の深層を単に見るか、無視し続けるかだけの違いだと思われる。それに今回のイギリスの国民投票に関しても、私は陰謀だなどと考えている訳ではなく、むしろあのように破壊的とも言える程、世界に影響のある投票をよくも不正なく実施し得たものだと、さすがに市民革命を経て樹立されている民主主義の国は、腹が据わっているというか、立派だなと感心しているぐらいである。日本とはえらい違いである。ただ陰謀ではなくても(アメリカは大掛かりな陰謀を仕掛けるだけの覇権を失っている。だからドナルド・トランプのような国内志向の人物が大統領候補になっているのであろう)、今の世界は放っておいても一部の金融資本の思惑通りに、まるで筋書きに沿って進行しているように見えると言うことが不気味なのである。ともかくも21世紀中にはいずれそうなるであろうが、世界単一通貨制度を導入すべきだ。せいので一斉にやるのであれば、中国やロシアや北朝鮮などの社会主義国家も反対すべき理由はない。