龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

ステロイド依存治療の病理

数少ない貴重な読者から、前回の記事内容について質問をメールでいただき答えさせてもらったものだが、その内容については多くの人が自分の問題として当てはまる社会性のあることなので、ここに新たな記事として掲載させていただくことにする。質問は、何十年も前の小さなころに水銀が含まれているアマルガムを詰めていて、今のところ特に健康被害がないのだが除去した方がいいのでしょうか、というような内容であった。それに対して私は、2013年に熊本市で開催された外交会議において、世界規模で水銀の使用や輸出入を規制する「水俣条約」が採択され、今やその危険性は普遍的に認識され共有されるに至っているということ、現に歯医者においても10年ほど前からアマルガムはほとんど使用されておらず、パラジウム合金や保険の効かないセラミックス素材のものに切り替わってきているということ、現時点で健康被害がなくても加齢による免疫力低下とのバランスにおいて将来的に何らかの悪影響を身体に及ぼす可能性が高いと考えるべきであるなどの理由により除去した方がよいと思うと答えた。但し注意点として人によっては金属アレルギーを起こす対象が、ニッケルや金である場合もあるので自分がどのような金属に反応するのか調べておいた方がよいが、いずれにしても水銀は万人にとって有毒性が高いと考えられるということと、またアマルガムを除去する際には、口回りをきちんと防護してくれる歯医者でなければ、気化した水銀を大量に吸い込んでしまって身体の状態が悪くなってしまう危険性があるので、歯医者の選定には事前にそういうことをよく確認しておく必要性があることを付け加えて回答させていただいたものである。

これより以下の内容は、このブログ記事で新規に述べる補足事項であるが、私もアマルガムを充填したのはもう記憶にも記録にもない何十年も前の頃(恐らくは小学生の時)で、アマルガムという名前も、それに水銀が約半分の組成で含有されていることも、今から2年ほど前には全くの無知であったのである。よって歯の詰め物がアレルギーの原因になっているなど全く想像もしなかった。それでは何で気づいたのかと言えば、前回にも述べたことだがステロイドを処方するだけの治療方針に不信感を感じていた私は、一時いろいろな皮膚科医を駆けずり回って探していたのであるが、ある皮膚科医が診療時に「歯に詰め物はしていますか。」と私に聞いてきたのである。私は「はい、してますけど。」と答えたのだが、それに対して医者は、何を考えているのかわからないが、何も言わずに黙ってしまうのである。変わったことを聞く医者やなあ、という印象であった。そして漢方薬と保湿剤を出してもらって帰ったのであるが、それから2~3週間ぐらい後に、2度目にその病院に診察に行くと、そこの医者はまた「歯に詰め物はしてますか。」と聞いてきたのである。それで私が、何やこの前聞いていることをもう忘れているのかと内心、呆れながら「してますよ。」と答えるとまた不気味に黙り込んでしまうのである。そういうコミュニケーション能力が低い医者に掛かっているとストレスがたまる一方で余計にアトピーが悪化しそうなのでその病院にはそれ以降、行かなくなったのであるが、2度も続けて歯の詰め物を聞かれてどうも気になった私は、まさかとは思いながらいろいろと調べていく内に、アマルガムの水銀が原因になっている可能性に気づき、そこから体内の水銀を排出するキレーション療法にも行き着いたものである。キレーション治療を行っている病院で毛髪を何十グラムか切り取ってもらって、それをアメリカまで送ってもらって検査をしたのだが、有毒金属とされるエレメントが、アルミニウムやヒ素、鉛など計17種類あるのだが、私はその中で水銀の基準値が0.8であるのに対して検出量は2.8μg/gで、3.5倍もの数値であったのだ。つまり私はその時点で水銀中毒になっていたのである。それが判明するまでに、皮膚科で処方されるステロイド剤を塗り続けて1年9が月ぐらい経過していた。但しその後もキレーション治療と並行して皮膚科の新しい病院を探しては行っていたが、どの皮膚科もキレーションであるとか、金属中毒が原因で私がアトピーになっていることを馬鹿にしたように認めようとしないのである。そういうものは非正規のインチキ治療であるかのような言いぐさをする。この状況はおそらく今でもまったく変わっていないであろうと考えられる。日本の99%の皮膚科は、厚労省ガイドラインに沿った保険適用の治療が正しくて、それ以外の民間療法やキレーションのように海外から導入されていても日本ではまだ知名度が低くて、保険非適用の治療については懐疑的であるという以前に、何も知らないのである。知っているとしても患者から聞いてそういう治療方法があると耳に入っている程度なのだ。それで日本の皮膚科治療の99%は対症療法一辺倒なのである。その特徴はとにかく根本的な原因や原因物質を曖昧にしたままに、ステロイドを出し続けることである。それは治療というよりも本質的には単なるビジネススタイルの問題なのだ。原因を突き詰めたからと言って、皮膚科は儲かるわけではないのである。手間とコストが掛かるばかりでそういうことは収益性がきわめて低い治療方法なのだ。それでは収益性が高い治療方法とは何かと言えば、原因を曖昧にしたままにステロイドなどの薬をひたすら出し続けることである。もっとはっきり言えば、皮膚科医はそういうビジネススタイルを否定すれば儲からないのである。これは医者の権威と言うものに盲従している人には決してわからないであろうが、皮膚科治療における資本主義的真理である。そういう医者の説明は大体どれも似たようなものであり、アトピーの発生機序というものは、人間の身体は風呂の浴槽のようなものであって、その浴槽の中にアトピーの原因となる化学物質であるとか、ダニやホコリ、食品添加物、ストレスなど様々なもののトータルが限界を超えた時に、浴槽から風呂の湯が溢れるようにアトピーになるという説明であって、要は何が言いたいのかと言えば、免疫力の許容量との関連でアトピーは必然的に発生する病理であるが、ステロイドなどで痒みや湿疹の症状を抑えながら、同時に食事療法などで体質改善を図りつつ寛解させていく以外に方法はないとするものであり、とにかくそういう理屈で病院に行けばステロイドと保湿剤を買わされて、後は家でしっかり自分で食事療法を勝手にやってくださいということである。しかし私の病状は正確に言えば、前回にも述べた通り、金属アレルギーが原因でアトピーになったのではなく、アマルガムの水銀が溶出したものが体内に入って湿疹のアレルギー症状を慢性的に起こしてはいたが、本格的にアトピーになったのは脱ステを開始して以降であり、脱ステ開始とほぼ同時にアマルガムを除去し、キレーション治療で体内の水銀を排出させ、憑き物が落ちるように体が楽になったのとは別の系統の流れで、本格的にアトピーになっていったのだ。一口にアトピーといってもその症状は人さまざまであろうが、私のケースで言えば、明らかにステロイド依存症からの離脱過程がアトピーの症状となって現れていたものである。それでは何でステロイド依存症からの離脱(脱ステ)がアトピーを誘発させるかと言うと、長くなるので次回に回すが、とにかく皮膚科医のいうことを鵜呑みにしていては危険であるということだ。これがたとえば癌治療の抗がん剤であるとか放射線治療であれば話しは違うのである。なぜかといえば、言うまでもないことだが癌治療は生死に関わることであり、抗がん剤などの薬も非常に高価である。よって医師の説明責任がいい加減であったり、疎かであることは許されないものであるから、医師も患者も薬の副作用や後遺症についてきちんとした共通の認識と覚悟を持って治療に取り組んでいくべきものとなるが、アトピーの場合はそうはならない。ステロイド長期使用からの離脱は大変に苦しいもので、時には精神のバランスさえ崩しそうになるものであるが、生死にかかわらないということで、医師の説明は非常にいい加減なものであり、薬を出し続けることの利益追求主義に極端に偏りすぎているのである。何年か後に自分の患者がステロイドを止めようと決心した時にどれほどの苦しみを被るかということをまったく頓着することなく、鼻歌を歌うような気楽さで流れ作業のようにステロイドを処方し続けている。そうして患者は薬漬けになって、日本の社会保障は増大し続けているのである。この件に関してはいくらでも言いたいことはあるが、取り敢えず、今日のところはここまで。