#短歌
澄むほどに 冬の夜空に 雲集い 星を見せんと 重く垂れゆく
目地土で 踏まれて生きる スベリヒユ 暗赤色の 思想が這えり
人々が 目を背けたる 薔薇となり されど私は ここに咲きけり
鯉のぼり 夫婦別色 黒と赤 子鯉止む得ず 青にて泳ぐ
ストーカー 一線越えて 地獄行き 追わす心理は 春に揺蕩う
春の朝 騒がしき声 ちゅんちゅんと 番と見れば 一羽なりけり
虐待の 多き国には 何か住む 魔物育む 君臨統治
超越は 俗世の花に 宿りたる 憂きも悲しも 人の間に
元妻が 電球切れたと 我を呼ぶ 脚立を持って 付替えにゆく
冤罪で 責任取らずに 頭下げ 誰かの首は 吊るせるものか
カラス鳴く 人間も涙 犬吠える 一切衆生の 春騒がしき
花多し 咲き方はただ ひとつなり 富者の儲け なるように咲け
大衆は 言われた通り 生える草 誰がはやして 麻薬とするか
春の日に ついに買いたる プレステ3 息子欲しがり 私も遊ぶ
見も知らぬ 子供どこかで 殺されて 悲しくもあり 悲しくもなし
正義とは 誰かの都合の 所産なり 声なき者が 見捨てられたる