生きること、書くこと 127
ゴールドかシルバーか知らないが、連休直前に子供(男、9歳)がインフルエンザに罹って大変であっ
た。17日の金曜日夜に電話をすると息子は「微熱があるねん。」と言っていた。
翌日18日の朝7時頃に元妻から電話があって38度近い熱があるとのことだった。しかしその日元妻
は、入院している母親の見舞いに行く予定があるので午前中は子供を病院に連れていくことが出来ないと
いう。「学校を休ませるから一日家で寝ていれば恐らく熱は下がると思う、もし夕方に熱が下がっていな
ければそれから病院に連れて行く。」と元妻は言った。その後、朝9時頃に気になった私は電話をかけ元
妻に「それはインフルエンザと違うんか。」と言うと、「さあ、……」と困ったような様子である。それ
で私が「インフルエンザやったら早いこと医者に診てもらわんとあかん。もう連休に入るから遅れると病
院探すのに苦労することになる。お母さんの見舞いに行くのは日を変えて、午前中に病院連れて行ったら
どうや。」と言うと、途端に機嫌が悪くなって
「もう予約してあんねんから、日にちを変えることはできへんねん。」とまるでホテルの予約をしてある
かのような事を言う。元妻は性格的に融通が利かないというか、臨機応変に事の優先順位を判断して咄嗟
に計画を変更することが出来ないのである。そのくせそのような時に元妻は、私から無理筋の強制をされ
たがために口論になったかのような話しを作りあげ、その口論そのものの責任を私に押し付けてくるの
である。
「○ちゃんは私らがこうやって電話で言い合いしてるのが悲しい、言うてるで。こんなことしてたら、○
ちゃんの具合が益々、悪なるやないの。もう私、出て行くから切るで。」
と、こんな調子である。こういう性格は結婚中であろうが、離婚しようが絶対に一生変わるものではな
い。どんなワクチンも効かない悪性の性格因子ウイルスを保有している。予後不良だ。それで私は仕方が
ないので、仕事をほっぽり出して午前中に息子をマンション近くの病院に連れて行って診てもらった。
そうしたところ案の定、息子は新型インフルエンザ(A型)に罹っていた。医者が言うには息子が通って
いる小学校はかなり流行っているようである。息子の一学年上である4年生が学年閉鎖になっていること
は息子から聞いていた。やはり学校でもらってきたようである。その日は4日分の“リレンザ”と高熱時
の頓服薬を処方してもらった。医者は2~3日すれば治るだろうと言った。
その後、息子をマンションで一人で寝させておくわけにはいかないので、私が住んでいる実家に連れ帰っ
て看病することになった。インフルエンザが高熱を出すのはわかっているが、普段見たこともないような
数字が体温計に表示されると恐ろしくなってくる。その日の夜から翌日の朝にかけて40度近くまで上が
った。夕方に医者からもらった頓服を飲ませたがまったく効かないので、元妻と電話相談の上、座薬を入
れることにした。座薬を挿入すると1度ほど熱が下がるのであるが1時間ほどでまた元の高熱に戻ってし
まう。息子は高熱で喉が渇くのか、しきりに氷を欲しがるので私は一晩中寝付くことができなかった。夜
中の2時半頃に熱を計ると39度8分であったので心配になった私はまたもや座薬を入れ、どこかの救急
病院に連れて行った方がよいのかどうか判断がつかないので、ネットで慌てて調べた“小児科救急電話相
談センター”に電話した。応対してくれた女性が言うには、座薬は一時的に熱を下げるだけですぐにイン
フルエンザ本来の高熱に戻ってしまう、短時間で熱を下げたり上げたりするのは体力を消耗するのでよく
ない、医者からリレンザを処方してもらっているのであれば、脳症や肺炎の兆候が出ていない内はたとえ
高熱でも自宅で安静にしていた方が良い、ということであった。
なるほど言われてみればその通りだと納得したが、39度8分も熱が出ればどうにかなってしまいそう
で、びびってしまう。実際に死んでいる子供もいるのだから。
翌日19日の土曜日昼ごろ、息子を寝かせながら事務所で仕事をしていると息子に持たせている携帯電話
から私の携帯電話に呼び出しがあって、「しんどい。息がしにくい。」と言うのであわてて見に行くと、
火照った顔で目がとろんとしていた。これは駄目だと思って、当日診療している数少ない病院を調べて電
話をし症状を伝えると「救急車を呼びなさい。」ということなので119番した。
息子は子供専門の病院に搬送され、急遽入院することになった。
息子は19日(土)に入院し、その日から入院期間中ずっと点滴を打ち続け、病院で3泊して22日
(火)にやっと元気になって退院することができた。その間、私と元妻が交代で付き添っていた。
以上である。まあ、どこにでもあるような平凡な話しかもしれないが、私はこの出来事から言いたいこと
が2点ある。