龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

生きること、書くこと 132


どうも私には新聞報道における、容疑者氏名の公表基準と言うものがとんとわからない。

結婚詐欺で逮捕された女は、複数男性の殺害に関与している疑いが濃厚であるにも関わらず、朝日新聞

おいても読売新聞でも“東京都豊島区の女(34)”である。その一方で新聞社は、“犯罪”とも言えな

いような痴漢やわいせつ容疑などの迷惑行為における実名報道は大変お好みのようである。

たとえば10月27日、読売新聞夕刊には、強制わいせつ容疑で阪急電鉄社員、“谷口洋一容疑者”(6

2)が実名報道されている。介護士の女性(25)とその母親3人で食事をした帰り、女性を自宅に送る

途中で二人きりになった時に無理やり体を触ったのだという。谷口洋一容疑者は「身に覚えがない」と否

認しているという。

果たしてこれが、実名報道する内容の事件なのか。これだけの情報量ではあまりに曖昧すぎて犯人と特定

することも憚られるであろうし、仮に事実であったとしても実名を公表することの公共的な利益が私には

疑問である。谷口洋一容疑者の親族は一体どのような気持ちになるであろうか。

同じく10月27日、朝日新聞朝刊には、私服の補導員をかたって女子中学生の体を触ったとして、兵庫

県芦屋市の“永井透容疑者”(24)がわいせつ目的誘拐と強制わいせつの疑いで逮捕されたことが報道

されている。

結婚詐欺で逮捕された女に関する報道では、現在のところ朝日新聞と読売新聞で微妙な違いもある。朝日

新聞では、被害者の男性氏名を不動産管理会社員、“大出嘉之さん”と実名で記載しているが、読売新聞

では男性会社員(41)とされている。読売新聞は加害者と被害者が、“男女平等”基準で裁かれている

し、朝日新聞は、結婚詐欺に引っ掛かった“哀れな”男を晒し者にしているようにも思える。

いずれにしても、大新聞社の閻魔大王ぶりは本当に鼻持ちならないし、閉口させられる。