龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

弁護士ペニス切断事件について

最近の事件で印象が強かったものに、弁護士ペニス切断事件がある。マスコミが好む話題なのか週刊誌でもセンセーショナルに取り上げられていた。元プロボクサーで法科大学院に在籍し弁護士を目指す24歳の男(小番容疑者)が、弁護士事務所で働いていた妻がそこの弁護士と不倫関係になったか、男女間のトラブルが生じたかして、妻を伴って事務所を訪れ三者で話し合いをしていた席上で逆上して殴りつけ、弁護士の意識が朦朧としているところを、ズボンを脱がせ持参してきた枝切りバサミでペニスの3分の2ほどと陰嚢を切断し、何とそのモノを便所に流してしまったということである。
私はこの記事を最初に見たときにアメリカのある小説を思い出した。ジョン・アービングの『ガープの世界』である。2年ほど前に読んだもので詳細は不正確であるが、記憶では確か主人公のガープの妻が大学で講師の仕事をしており、夫婦仲はとても良かったのだが、ある日、妻は教え子と不倫関係になってしまったのである。何かのことでその事実に気付いたガープは大きなショックを受けると同時に逆上し、妻に対してその男との関係を清算してくるように命じたのであった。妻もガープを愛していたので、言われた通りに車で不倫相手の教え子の元に別れを告げるために会いに行った。ところがその不倫相手の男は感情の深みにはまってしまっているので、そう簡単には受け入れてくれない。ガープの妻は必死で何とか説得して、やっとその男も別れを了承することとなったのだが、最後の慰めにとか何とか言って、車の中でフェラチオをしてくれるようにとせがんだのであった。ちょうどその頃、妻の帰りが遅いことに不安を感じたガープは、車に4~5歳(?)の息子を乗せて妻の様子を見に行くこととなる。そしてガープの車が、妻と不倫相手の男が乗っている車の中が見える場所までやってきた時には間の悪いことに、妻が不倫相手の男にフェラチオをしている最中であったのである。その光景を見たガープは動揺のあまり運転操作を誤り、坂道を滑り落ちていくようにスピードを増して、妻が乗っている車に激突したのであった。そしてその衝撃で妻は不倫男のペニスを根元から噛み千切ってしまうこととなる。それだけならともかくもガープが乗っている車の方も、ギヤシフトレバーの取っ手の部分が取れていて、尖った金属棒が剥き出しの状態になっており(妻から修理するように言われていたのだがまだしていなかった)、衝突の衝撃で運悪くも愛する息子(ガープはとても子煩悩の父親であった)の片目にその尖った金属が突き刺さり、目玉が抉られて失明してしまうこととなった。そういう内容の話である。この部分だけを紹介すると安手の三文小説のように感じられるかも知れないが、そんなことはなくて、いつまでも心に残るとても優れた作品である。人生とは滑稽なほどに悲劇と喜劇が混じり合ったものであるという不条理感と切なさがよく描かれている。
小説の話はともかくも小番容疑者の事件に関して言えば、私が想像するに恐くは、弁護士は自分の方に落ち度があるにも関わらず小番容疑者に対して、上から目線で高圧的な態度を取ったのだと思う。私も実は弁護士という人種に対しては多少の恨みがある。今から6年前の離婚の時にはそこに至るまでの別居期間の5年間ほどの間に、子供との面談や離婚やそれに付随する紛争などで弁護士の仕事ぶりや依頼人である私に対する基本的な態度などで相当に腹を立てさせられることが多かった。あまりに堪りかねて喧嘩もしたし、弁護士会懲戒請求を出したこともある。それらの経験から私は弁護士に共通する精神性や、その精神性が取らせるであろう態度というものがよくわかるのである。一口で説明することは難しいが、弁護士という人種の精神性は、仕事の性質上止むを得ないところもあるのであろうが、日本という国家の腐敗や堕落と連動しているようなところが大きいのである。態度がでかくて偉そうな態度の割には、利己的で自己保身のことばかりを考えていて、依頼人に対しては、お上が下々の民を見下しているかの腐臭が滲みだしている。「市民派」とか「共産党系」などという色分けほど信用ならないものはない。基本的には皆、同じなのである。私も弁護士探しには相当、苦労したが、結局、最後にもっともまともというか、良心的で信用できる弁護士にたどり着いたところが在日か日本に帰化したかいずれかの人だったのである。保守的でナショナリズム的な思想傾向のある私がそうなのだから、今の時代の純日本的な弁護士というものがどれほど劣化した性質なのか、裁判や弁護士への委任を経験したことのない人にも理解していただけるであろう。自分の妻に不貞行為を働いていて、そのような態度を取られたのであれば小番容疑者が逆上して切れるのも、その心情はよく理解できる。被害弁護士に対しては、いい気味だとまでは言わないが、自業自得である。しかしその程度のことで24歳の若者が自分の人生を棒に振ってしまうことはあまりにももったいないことである。その弁護士に復讐するのであれば、暴力に訴えるのではなく、ましてや自分自身も弁護士を目指している立場であれば、もっと他に「合法的」な方法があったであろうに。小番容疑者の妻は小番容疑者に対して、合意ではなくてレイプされていたと弁明していたとの報道もあったが、そうであればその妻を説得して刑事告発させればよかったのである。嘘や冤罪はよくないという人もいるであろうが、それはあくまで一般人が対象となる場合の話しである。もちろん弁護士であろうと法の下に平等であるが、今の日本の劣化した弁護士はまさにそのような世の中の嘘やインチキを利用して法理体系の中で有効に活用し、金儲けの種にしているような輩である。よってその弁護士が不品行なことをしていたことは事実なのだから、妻が言う通りにレイプで告発させればよかったのではないのか。腹いせにペニスを切断するようなことをして傷害罪で捕まれば顔や名前も広く世間に知られるし、刑務所に何年も入れられてしまえばそれでジ・エンドである。それで思うに、弁護士の立場からすれば女性からレイプで訴えられて有罪となり弁護士資格を失うことと、不倫をした女性の夫から枝切りバサミでペニスを切断されるのはどちらがより痛いのであろうか。どちらかを選ばなければならないとすれば、これは究極の選択である。私にはどうでもよいことであるが。私はたとえ退屈であっても、人には恨まれず、警察にも決して捕まらないような小市民的な人生を静かに送りたい。小番容疑者に対しては寛大な処置が下されることを望む。基本的には前途ある真面目な若者であったようなので執行猶予が与えられるべきである。