生きること、書くこと 99
真剣勝負を真剣に見ていると何かしら勝敗を左右する本質的なものが感じられる。WBCの日韓戦をTV
観戦していてそのような感想を抱いた。
以前私は、WBCでの日本の戦いは原監督の強運が世界を舞台にどこまで通用するかが見物だと書いた。
日韓戦の2試合に関して見れば両試合とも明らかに日本にツキは流れていた。ところが一戦目は日本のコ
ールド勝ちで、二戦目は0対1で惜敗した。この差をどのように考えるべきであろうか。
実は初戦に大勝した直後に観戦記事を書こうとしたのだが、忙しくて書けなかった。今となっては後付の
結果論のような文章になってしまうのが残念だが仕方ない。私は強豪、韓国相手にコールド勝ちしたから
と言って点差ほどの価値はないのだということを書きたかったのである。韓国には競り勝たなければ勝ち
切れたと言えないのである。反対に言えば、韓国は日本を相手に競った時に異様なほど強い。野球だけで
なくサッカーも同様である。勝利への気迫というかメンタル的な強さの差が接戦において如実に表れてし
まうのである。口惜しいことではあるが事実なのだから認めなければならない。
たとえばもし先日の最終戦で日本がリードしていた状況を想定すれば、2点差ぐらいであれば簡単に引っ
くり返されていたであろう。正直なところ、日本が韓国相手に僅差で競り勝つということは想像すらし難
いことである。それはメンタル的には集中力であり、フィジカル的にはパワーの違いということになるの
であろうか。技術的には負けていないはずなのである。
とにかく韓国は強い。当然日本も強いが、強さの質が全然違う。韓国には技術の上に集中力とパワーがあ
る。この二つの要素は日本にとって今後の大きな壁であり、課題でもある。韓国はアーチェリーでも世界
一である。集中力を科学的に研究しているであろう国に日本は現状では勝ち切れないし、勝ち越せないで
あろう。これからの日本は、相手が後進国であれ見習うべき点は謙虚かつ貪欲に学んでいかないとどんど
ん差を拡げられてゆくのではないであろうか。
とは言っても大会はこれからアメリカラウンドを迎えるわけだから二連覇を目指し、死力を尽くしていた
だきたいものだ。
城島はとてもいいキャッチャーである。彼にはハートがある。
それだけはよくわかった。