龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

パチンコと政治

人それぞれにライフスタイルというものがあるから、一概に決めつけて批判はできないけれど、平日の朝10時前から、いい年をした大人たちが仕事もしないで、パチンコ屋の前でだらしない恰好で並んでいる姿を見ると、見慣れた光景だとは言え、日本は本当に呆けた国だなと悲しくなる。
スーパーや街工場は長引く不景気の影響でどんどん撤退してゆくが、その跡地に大手パチンコチェーンの新規大型店が、素人目にも数十億円もの費用が掛かっているであろうと一目でわかる外観で、けばけばしくも建設されてゆく。節電云々以前にこの機会に、パチンコ屋の存在意義というものを考えるべきではないのか。私の正直な感想で言えば、危険で不適切な発言かも知れないが、パチンコ中毒の人間よりは、マリファナを吸って幸福感を味わっている人間の方がまだ健康的であり文化的だと思える。
ところがパチンコは合法であり、マリファナは違法である。私は、パチンコもマリファナもやらないが、法律とは一体何だろうかと考えてしまう。マリファナが原因で殺傷事件を起こしたという話しなど聞いたことがないが、パチンコで遊んでいる親に車に置き去りにされた赤ん坊が、これまでに何人死んでいるのか。正しい批判も、何もない。子供を真夏に車に閉じ込めてギャンブルに興じるような親は非常識であるとしか言えないが、パチンコ業界はこれまでそのようなだらしない人間に対して効率的に金をむしり取ることばかりを考えてきて、小さな子供を駐車場の車に置き去りにしないよう注意喚起をしたり、店員が客の車を見て回るような対策をまったく講じてこなかった。この点だけを見ても、明らかにパチンコ業界は娯楽などと言えるものではなく、社会悪である。
確かに在日韓国人や、在日朝鮮人たちの就職差別の問題はこれまでの日本社会に歴然としてあったし、今日でも少なからず残っていると思えるので、そう簡単な問題でないことはわかる。在日韓国人在日朝鮮人の子弟は、日本社会の権威的な道で金儲けをして生計を立てることが難しいから、焼き肉屋、飲食店の経営や芸能界が受け皿として一定の機能を果たしてきた。一部の人が指弾する在日のいわゆるヤクザ比率というものは私には、それほど高いとは思えないし実際に真っ当に働いている人が多いことは事実であるが、職業差別の現実がある限りヤクザの道に進む一定数の在日が存在することは社会学的な必然であるとも見れる。パチンコ業界にも在日韓国人朝鮮人の経営者が多い。但し、それらの問題や議論を踏まえて考えても、日本社会にギャンブルとしてのパチンコは弊害が大き過ぎるように感じられる。
何よりも純粋に法律上の矛盾が、放置されている。基本的に競馬や競輪などの公営ギャンブル以外のギャンブルは禁止されているはずなのである。パチンコは、貸し玉や景品などと言って娯楽の体裁を取っているが、誰がどう見てもギャンブルである。それも投機性が極めて高い庶民の生活を壊す、危険なギャンブルである。
パチンコを離れて、ついでにカジノのことについても触れておく。震災の復興財源を確保しつつ新しい都市づくりをするために仙台にカジノを作るカジノ構想なるものが出てきているようだ。テレビ番組で、警察が地下カジノを摘発する場面を見たことがある人は多いと思う。番組のナレーターは何度も、暴力団の資金源になっていることを強調する。しかし暴力団の資金源となる営利行為を行ってはならないなどという法律はない。刑法186条に賭博開帳図利罪という法律があって、賭博場を開いて人を集めて賭博による利益を図った者は罰せられる、のである。本来、法律は行為そのものを罰するべきであって、目的を罰したり、目的によって行為が正当化されることがあってはならないはずなのである。言うまでもなく、暴力団の資金源となる地下カジノも、震災復興財源確保のための合法カジノもやることは同じである。もちろん特例としての超法規的措置はあってしかるべきだが、今日の政治家はあまりに程度が低すぎるというか、短絡的で軽薄にしか見えない。馬鹿にだけは、法律をつくってもらいたくはないものだ。馬鹿の考えることは、所詮は利権目当てだ。それで思うのだが、少なくとも国会議員には学力テストや常識問題テストを実施すべきではないのか。そしてその結果を順位付けで国民の前に公開すべきである。国民が知るべき権利とは、議員の資産やペテン師的なパフォーマンス能力ではない。何よりも国民が知るべきは、政治家の品性と知的レベルである。学歴など何の参考にもならない。特に経済や法律に関する基本的な知識や理解が欠落している政治家が閣僚を務めているこれまでの状況では、国民が不幸になって当然である。品性と知的レベルが低い政治家は権力を嵩に、国民の目を誑かすことしか考えられないからだ。そういう人間こそ議員バッジを付けて偉そうにふんぞり返っているのではなく、朝早くからパチンコ屋の前に列を成して並んでいるべき人種である。カジノ合法化法案の前に、議員知的能力判別テスト実施法案を早急に作成しろ、と言いたい。