龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

真夏のアスファルト

はぁー、暑い。溶けそうだ。
しかし今から溶け始めていたのでは、9月ごろには私の肉体は蒸発してしまってなくなっているかも知れないな。昨日の土曜日に、ちょっと用事があったので大阪駅周辺をうろついてきた。別に調査目的ではないが、新しく出来た商業施設内の伊勢丹や、大丸や阪急、阪神全ての百貨店に入店してきた。どの百貨店も正確な設定温度はわからないが、私の体感では目一杯、冷房を利かせていた。
当然である。庶民にとって百貨店とは涼みに行くような場所である。涼みながら、ついつい衝動買いしてしまう所が百貨店なのだ。生暖かい空気の中で汗を垂らしながら、誰が高価な買い物などするものか。節電、節電と合唱するのも良いけれど、去年の夏といい、近年の殺人的な暑さを考えれば、もっと根本的に対処しなければならないのではないのか。去年の夏にも私は記事の中で少し触れたが、地上付近の体感温度を引き下げることを考えなければならないと思う。そうでなければ地球と人間は、もう持たないのではないか。都市の気温を引き上げているのは、言うまでもなくアスファルトだ。道路工事でローラー車がアスファルトを固めている現場は誰もが近くで見たことがあると思うが、アスファルト舗装は、石油の固形残渣物を高温で溶かせた、どろっとした状態の粘度が高いアスファルトを道路に流し込んで踏み固めてゆく方法なので元々熱度がきわめて高い代物である。
普段、あまり意識したことがない人の方が多いであろうが、比較的新しく舗装された路面付近に今の季節に日中、近寄って見ればわかるはずだ。そこだけ一際、もわっとした熱気が漂っている。アスファルト内部の熱が完全に抜け切れていないから、日中の外気温に反応して路面から辺り一帯に熱を放射しているのである。これではいくら頑張って節電に努めたところで、追いつくはずがない。聞くところによると、コストは高いようであるが、多孔質で空気や雨水を通す高機能のアスファルトがあるとのことである。なぜ、この高機能アスファルトを使わないのか。通気性のあるアスファルトであれば、打ち水の原理で気化熱を奪うから、少なくとも2度くらいは気温が下がるはずである。今のアスファルトでは、雨水や黄砂などの不純物を弾くだけだから体感温度は際限なく上がっていくし、呼吸器系の疾患に苦しむ人は増えてゆく一方である。
本来、大地も人間と同じように皮膚呼吸をしなければならないのである。ところがこの100年くらいで、人間は大地をアスファルトで覆い尽くしてしまったから様々な弊害が生じてきているのである。毎年、3月の年度末近くになれば国は予算の帳尻を合わせるように、必要性があるのかないのかよくわからなような道路工事ばかり行なって、交通渋滞を引き起こしているではないか。
そんな余裕があるなら、今後の道路工事は高機能アスファルト以外を使ってはならないとの法律を早急に作って施行するべきだ。もう、猶予はないのである。それを人間に知らしめるための原発事故であったと考えるべきだ。エネルギー政策のあり方は当然、脱原発を推進してゆかなければならないが、それよりも先ず比較的、簡単に出来ることは路面と地中に熱を溜め込まないインフラへの転換である。
節電、節電と叫ぶだけのやり方は原始的な気休めに過ぎない。もちろん私がいくら、このような真っ当な事を主張しようと、プライドだけは高い日本の無能為政者たちは何一つ現状を変えようとしないであろうことは目に見えている。国民の生命や生活より、自らの保身や沽券を大切に考えるな。私の頭も真夏のアスファルトのように湯気を発している。