龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

馬鹿でも分かる展開

消費税法案の修正協議についてであるが、採決の日程を確約させることの意味について説明することにする。と言っても、私のような素人が偉そうに解説するほどのことではないが、世の中にはあまりにもわかっていない人が多過ぎるし、メディアの報道も誘導傾向が強過ぎるからだ。先ず自民党が当初から民主党に要求していた修正協議入りの前提条件としての採決の日程には、二つの意味がある。先ず第一に今国会において法案を成立させるということである。もう一つは、政権与党の民主党にとっては修正協議の条件が折り合わなければ継続審議として先送りにするという手持ちのカードがあるから、自民党はその民主党カードを封じる必要性がある。そういう意味での採決日程なのである。この二つ目の理由は、自民党にとってはあるいは民主党増税推進派にとっても同じであるが、消費税増税を反対している小沢派の影響力を排除するということであり、前回にも述べたが、次期選挙における連立構想への布石を打つ策略にもつながっている。採決の日程が確約されると、あとは民主党自民党の密談(談合)環境が整うのである。ところが急きょ、公明党が修正協議に参加することになった。公明党は、消費税増税そのものには必ずしも反対ではないが、民主党が進める“税と社会保障の一体改革”には、社会保障の全体像が見えないとして、修正協議に加わる意向を示していなかった。それがなぜ加わることになったのかと言えば、民主党自民党の談合を放置するわけにはいかないからだ。公明党は言うまでもないが、第一党にはなれない政党でどこかと連立を組まなければ政権与党としての地位を保持できない。公明党民主党は昔から相性が悪いので、この先も連立を組むことはあり得ないであろう。消費税法案で自民党民主党にすり寄って、というよりも談合的に一枚岩のようになってしまえば、当然の帰結として公明党自民党から見捨てられる運命となる。自自公の大連立という形は絶対にあり得ない。よって公明党は修正協議の場において自党の消費税に対する考えを訴えると同時に、民主と自民が国民を無視した談合をしないように監視する責任があるということだ。そういう意味では、公明党の修正協議入りは評価できるものである。公明党自民党と同じように、民主党に法案の採決日程を確約するように要求しているが、意図するところは正反対であろう。公明党は、主に民主党を解散、総選挙へと追い込む狙いで修正協議に参加しているのである。そのためには先送りにされては困るのだ。ところが自民党は前回にも述べたように、全体的には早期の解散、総選挙を望んではいない。何よりも消費税法案を成立させた上で、来るべき衆議院選挙で民主党と連立を組むための準備をすることが大切なのだ。よって公明党自民党は、民主党を軸にした相関関係で見れば、対極的な立場にあると言えるはずなのだが、マスコミは決してそのあたりのニュアンスを国民に伝えようとはしない。公明党が修正協議に参加して採決の確約を主張していることから消費税に対して自民党の見解とまったく同じ考えであるかのように平然とイメージ操作を行っている。このあたりがマスコミの悪質なところである。恐らくは大手新聞社などは、公明党など端から真っ当な政党だとは見做していないのであろう。しかし国民の視点から言えば、官僚の筋書き通りにしか動かない民主と自民の談合茶番劇よりは、公明党の方がまだしもまともで健全であるのである。いや、正確に言えば、公明党の方が健全だと認めなければならないほどに、民主と自民の茶番政治は低劣だということである。このような国難の時期には、ああだこうだと言っておれない。少しでも“まし”な公明党に頑張ってもらわなければならない。つまらない茶番の密談を許してはならない。とは言っても、現実的には財務省が裏でシナリオを描いているのであろうから、落ち着く先は動かし難いであろう。恐らくは今週中に、非常に不自然な形で、脈絡もなく唐突に民主と自民の間で大枠の合意が成されたとして採決への運びとなるはずだ。どうせ消費税増税を決めてから、社会保障の詳細な制度設計を協議しましょう、などと言い出すに決まっているのだ。まあ、見ていなさい。