龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

儲かる政党

もうこれは無理だな。小沢新党などというものは。小沢氏には新党を立ち上げるだけのエネルギーはない。おそらく本音のところではやる気もないであろう。造反などと言ったところで、木箱の中で腐った40数個の林檎みたいなものだ。党内で飼い殺しのように朽ち果ててゆくだけのことである。私がこれまでに何度も茶番、茶番と言ってきたが、茶番の定義とは自覚的なものだけを指しているのではない。無自覚的に結局、そうならざるを得ないという部分まで含めて茶番なのだ。そういう意味では、小沢グループ民主党主流派に対する抵抗や造反というか、本来のマニフェストに回帰しようとする運動も広義の意味では茶番である。大体こう言ってはなんだが、消費税法案について直前の与野党の修正協議合意から採決可決、その後の民主党の分裂騒動と尻すぼみなど、ほとんど全て私が事前に予想した通りの展開ではないか。別に占い師や予想屋のように当っただの、当らないだの、そんな下らないことを自慢する気もないが、なぜ政局の展開が私のような素人にも簡単に見えるかと言えば、そこには不文律の茶番のシナリオがあるからである。または日本の政治全体があまりに幼稚で活力に欠けているから茶番の構図が簡単に見透かされてしまうとも言えよう。考えれば、日本の政党とは中小企業のようなものである。民主党に支給されている160億円程度の政党助成金は企業の売上げに相当するであろう。簡単に売上げ160億円の中小企業などと言っても、それだけの売上げがあれば社員はともかくオーナーは大金持ちである。まして企業であれば全体の売上げから仕入れ代や従業員の給料、設備投資にかかる金や宣伝広告費などを差し引いて最終的に残った金が利益である。その利益に対して法人税がかかることになる。しかし政党の場合には仕入れに相当する部分がない。給料は政党助成金とは別に支給されるのである。ましてやボーナスまでも。その上に歳費まで支給される。よって政党助成金の全ての部分が、税金のかからない純利益みたいなものである。もちろん厳密に言えば、事務所経費や水道代、光熱費、書類のコピー代ぐらいは自己負担となるであろうが、その程度が何だと言うのだ。このように考えればいかに政権与党政党の利権というものが莫大であるか理解できようというものだ。そこには悪魔に魂を売ってすら尚、お釣りが返って来るぐらいの金が埋もれているのだ。マニフェストで嘘をついて国民をだまし、官僚とグルになって増税で私腹を肥やすことなど何とも思えなくなるような、まともな道徳心など麻痺してしまうほどの金と権力の力である。そもそも政治家の政治活動に掛かる金と私的な金を厳密に区別することなど出来ない。本来、政治に使われるべき金を私的に流用したり蓄財する方法など無数にあるであろう。不正献金収賄にだけ気をつけていれば、正当な金だけでも我々庶民の感覚で見れば、充分すぎるほど天国のような世界であると思える。ところがマスコミや検察が時折思い出したように、“政治と金の問題”として取り上げる不正とは、政治と金の構造的な問題を根本的に見直すようなものではなく、政治の流れをコントロールするように意図的に誰かをスケープゴートに晒すようなものばかりだ。これでは利権政治の堂々巡りで、日本の民主主義が質的に向上するわけがない。私は政党内に貯蔵されている金は、翌期に繰り越すのではなく毎期末に国庫に返納すべきではないかと思う。政党内に滞留された金は企業で言えば、内部留保のようなものである。企業の内部留保は社員の退職金などにも充当されるところの企業体力の指標であろうが、政党が金を貯めて何になるのだ。全ては国民の税金ではないか。日本のためになるなら、使うべきところは大いに使えばよいが、一方では節約にも努めて余った分は国に返すのが当然ではないのか。消費税を増税するというのなら尚更のことだ。政党が金儲けのためのドル箱になるような仕組みを変えなければ、政治の歪みは絶対に是正されない。小沢氏の新党への逡巡を見ているとそういうことがよくわかるのである。