龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

科捜研所長の踏んだり蹴ったり

人生は、どこかで一歩、間違えると踏んだり蹴ったりとなる。自分のこれまでの経験を振り返って見ても、この「踏んだり蹴ったり」という名の沼に一旦、はまってしまうと、そう簡単に抜け出せない。足掻けば、足掻くほどぬかるみに足を取られて、一層の深みに沈み込んでゆく。よって人生において重要なことは、順風満帆とまではいかなくとも、いかに泥沼の苦境に陥ることを回避するかと言うことである。先日23日の読売新聞、朝刊記事にて、映画のように見事と言うべきか、よく出来た踏んだり蹴ったり事件を見つけたので、反面教師の題材としてここに紹介させていただくことにする。
滋賀県警科学捜査研究所所長の前川孝彦警視(55)が飲酒運転で書類送検され、懲戒免職処分となった。その経緯を説明すると、前川警視は4月24日の午後7時頃から滋賀県大津市内で行われた職場の懇親会に出席して、約2時間でビールを6~7杯飲み、店の送迎バスで帰宅した。その時に携帯電話がないことに気づき、「情報の入った携帯電話をなくしてパニックになった」ことから、オートバイに乗って探しに行くこととなる。そして同日、午後11時40分頃、大津市藤尾奥町の国道でガードレールに衝突する事故を起こした。前川軽視はその事故で肋骨を折るなどの重傷を負ったにも関わらず、飲酒運転のため救急車も呼べず、血を流しながら歩いていたところを、通行人が目撃して不審に思い、通報されることとなる。結果、急行した警察官が職務質問し、事故が発覚するとともに、呼気から基準値を超えるアルコール分が検出された。携帯電話は、事故翌日に自宅近くから見つかったそうである。
どうです、何とも天晴れな、踏んだり蹴ったりでしょう。自宅近くから携帯電話が見つかったとの最後のオチも振るっているし、何よりもこの話の主人公が、科学捜査研究所の所長だというのだから、最高である。本当に映画にでもなりそうな、見事な「脚本」である。まあ、あまり嫌味を言いたくないので、敢えて同情すべき点を述べれば、真面目すぎる人間は「パニック」を起こすと、順法意識も自制心もなくなって、踏んだり蹴ったりの泥沼に一直線に突入してゆく傾向があるということであろうか。心に余裕がなくなるから周りが、まったく見えなくなってしまうのである。それでは灯台下暗しではないが、自宅の近く付近を先に探そうという気持ちになれなくても当然である。まあそういうパニック心理もわからないではないが、それが科学捜査研究所の所長とはお粗末なことである。「科学捜査」以前の問題ではないか。警察官もいざ自分のこととなると、この程度のものである。或いは日本の警察は、今でも飲酒運転をすることなど屁とも思っていないのであろうか。いずれにせよそういう人間どもに捜査されていたのでは、日本に冤罪が増え続けるのも当然である。