龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

強者の美

また少しサッカーの話しに戻るが、やはりあれだな、W杯で勝ち残った8チームの顔ぶれや、戦いを見ていると、日本は到底、そこに至るレベルにないことを痛感させられる思いがする。8チームどころか、決勝リーグに進出した16チームを見ていても、日本とは運、不運ではなく、明らかに実力が1ランクかけ離れているものであった。ベスト8に至っては、全て1次リーグを無敗で、1位になっている国なのだから、1勝も出来ていない日本とは、1ランクどころか2ランクの、厳然とした実力差が見て取れるものであった。8チームの準々決勝の4試合を、半分寝ながら、というか、寝たり起きたりしながら見ていたが、日本は到底、そこに仲間入り出来るものとは思えないものであった。これで優勝を目指していたなどとは、不遜と言う以上に恥ずかしい気もする。サッカーに関わらず、勝負事はやはり、自分の客観的な実力を知ることが、先ず第一歩なのであろう。日本は、決勝リーグ進出どころか、1次リーグで1勝することを目標とすべきであったのである。それを誇大妄想にも、本気か否かは別にして、優勝などと言っている時点で今回の結果が決定付けられたということも出来るであろう。つまりここから得られる普遍的な教訓とは、スポーツに限らないことであろうが、自らの力を過大評価して、その思い込みの勢いだけで実る果実は何もないということである。これはとても大切なことだと思う。サッカーと戦争を一緒にして論じれば叱られるであろうが、先の太平洋戦争における日本の敗戦も同じではないのか。ムードや思い込みだけで何とかなりそうな気がして応援しているが、負けてしまえばあっさりと自軍(自国)を見限ってしまうという結末は、共通しているような気がしないでもない。ただ、まあたかがサッカーなのだから、関係者以外が必要以上に深刻に成り過ぎることもないのだが。しかし、それにしても強いチームはやはり強い。日本に、ネイマールとかメッシのような個人プレイは期待できないにしても、組織プレイにしても、コスタリカなどはオランダに惜しくもPKで破れてしまったが、4人のディフェンスラインがロープで繋がれたように規則正しく一列に動き、相手側の突破をオフサイドにしてしまう強固な守備隊形は、見ていて芸術的な美しさすら感じられたものであった。強豪ブラジルと1対1に引き分けて、PKで破れたチリの守備も美しかった。何れも日本のレベルには遠く、及ばないものであった。本物の強さには、何かしら美が備わっているような気がする。たとえ、破れたにせよである。日本は、残念ながらそこまでには、至っていないのである。これは厳然とした事実だ。この厳然とした事実を、厳粛に受け止める事が、強くなる第一歩なのであろう。要するに、何事も現状の正確な認識が、実力向上の基点となるという不変の真理がここにある。