龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

漢字を知らない大人たち

失礼ながら、唐突ではあるが皆さんに漢字の質問をさせていただく。どうしてかという理由は後で述べるとして、田畑などに作物の種をまくことを「播種」というが、さてこの「播種」は何と読むでしょうか。常識ある皆さま方に、このような簡単なことを聞くのも気が引けるのであるが、実は先日、中学二年生の息子に勉強を教えていて、息子が「ばんしゅ」と読むので、私が「ばんしゅ」ではない、「はしゅ」だと言うと、息子が妙に自信を持ってこれは「ばんしゅ」で間違いないと断言するのである。私が何度言っても、「ばんしゅ」だと言って聞かないので、以前に買い与えてあった電子辞書を持ってこさせて、調べさせた。「はしゅ」で調べて見ろというと、息子は強情に「ばんしゅ」から調べると言って調べて見るが、当たり前のことだがそんな漢字は出てこない。次に「はしゅ」を調べて「播種」が出てくる。そうすると息子が不服そうな顔をして小声で言うには、学校の先生が「ばんしゅ」と言っていたというのである。私は思わず笑ってしまって、「その先生は、ちょっと問題やな。」と言ったのであった。しかし後でよく考えれば、まあ、私の息子が言う事なので本当かどうかわからないところはある。息子はその場しのぎに適当なことを言う事がちょくちょくあるからだ。まさか中学校の先生が、播種をばんしゅとは読まないだろうとは思うのだが、どうだろうか。何歳ぐらいの先生か知らないが有り得る話しではあると思う。しかしもし事実なら、ちょっと勘弁して欲しいという気にもなる。これは前から感じていた事であるが、簡単な漢字の読み方を知らない人が、意外と教師などの知的職業に携わる人間に多いのである。
たとえば私の会社の顧問税理士は女性であるが、以前、何かの折に「花卉」(鑑賞のために栽培する植物のこと)と書かれた漢字を私がその人の前で「かき」と読むか、或いは「花卉」と漢字で書くか、したことがあったのだが、その税理士は大層、驚いた様子で「へぇー、それで本当にかきと読むのですか。初めて知りました。」と言うので、私の方がびっくりしたことがある。その税理士は私よりも10歳ぐらいは年上である。私からすれば、花卉をかきと読むことなどは、万人にとっての常識だと思っていたのが、税理士の先生が知らないだけでなくそれほどまでに驚くと言うことが、信じ難い様な思いがしたものであった。もちろんそうは言っても、私も読み方がわからないような漢字はたくさんあるし、書くとなるともっと怪しい。中学生程度の漢字であっても、いざ書けと言われれば忘れてしまっていたり、間違って覚えている漢字など無数にあるであろう。しかし誰もが常識的に読み方を知っているであろうと思われる漢字なら、ほぼ間違いなく読めると思うのだ。いくら何でも播種をばんしゅなどとは言わない。それで思うのだが、知的階層に属する人々が単に特定の漢字を知らないと言う無知の問題ではなくて、今の日本の全体的な傾向として、政治家(知的階層に区分されるかどうかは微妙だが)などもそうだが、思考力の劣化が著しいのではないかと危惧されるのである。物を考えるべき立場の人々が根本的なところで何も考えていない体たらくが、基本的な漢字の読み方の無知となって現れているように思えてならないものである。生意気なようではあるが、日本人にとって日本語は精神の土台である。
因みに私は学校の先生方に対しては、何の悪意も持っておりません。私の身元が判明しましても(意外と調べられるものである)、この記事の内容でもって、息子への評価が厳しくなるようなことだけは(そういうことは有り得ないでしょうが)ご容赦ください。と一応は言っておく、心配なので。