龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

うろ覚えや。

長年の思い込みで言葉の正しい意味を取り違えて覚えていたということは誰にでもあるのであろうが、もちろん私にも数多くあるが、さっきTVを何気なく見ているとタレントの宇治原君が東大軍団と京大軍団のクイズ対決に京大出身のエースとして出ていて、「足が出る」の正しい意味はとの2択形式の質問で、「赤字になる」「黒字になる」のどちらですかと聞かれて、信じられないことに頭を抱え込んでしまった挙句に「黒字になる」との恥ずかしい間違いをしでかして会場が騒然とする場面が映し出されていた。一瞬、私は笑いを取ろうとしてわざとボケたのではないかと思ったが、どうもそうではなくて真剣に間違えていたらしい。京大を出ていてもそういう間違いはあるのだから、仕方ないといえないこともないが、私の息子の国語能力も大概、ちゃらんぽらんである。一年ほど前のことだから息子が中学2年生の時であったが、息子と元妻の住むマンションに夜、勉強を教えに行っていて(反抗期に差しかかっていた息子と元妻の関係が当時、悪くなっていて親子喧嘩ばかりをしていて、酷い時には蹴り合いにまで発展することもあったようで、そのたびに元妻からSOSの電話が掛かって来て、私は米軍のように事態の鎮静化に赴かされていたのであった)こういうことがあった。何の勉強を教えているか、させている時であったかは忘れたが、息子がこういう言い方をしたのである。「それについては、うる覚えやから・・・」そこで私はこらあかんと思って、すぐに訂正したのである。「うる覚えとちゃう。うろ覚えや。間違えたらあかんで。」すると息子は不服そうな顔で「ええ、うる覚えやで。学校の先生もうる覚えて言うてたでえ。」と私の言う事をすぐに信用しようとしない。「そんなアホなことはない。それは聞き間違いや。いくら何でも中学校の先生がそんな恥ずかしい間違いをする訳がない。」と言うのに尚も執拗に「うる覚えで正しいはずや。」と言い張る。そこで私は「そしたら電子辞書、持ってきて調べなさい。」と言っていると、私と息子のやり取りを聞いていた元妻が横から、「うる覚えでいいんとちゃうの。私もこれまでずっとうる覚えて言うてきたで。」と臆面もなく言うものだから、私は思わず頭を抱えてしまった。
「母親がそんな調子やからあかんねん。ほんまに君らは、同等のレベルやな。女、子供とはよう言うたもんや。そもそも、うろ覚えのうろてどういう意味か知ってるか。先ずそこから説明せなあかんようやな。」
元妻「知らん。」
「うろと言うのは、古い大きな木の幹にぽこっと大きな穴が開いてる所があるやろ。鳥が巣を作ったり、野生の小動物が寝床にするような穴や。ああいうのを、うろて言うねん。そやからな、うろ覚えて言うのは、木の幹に開いた穴のように正しく覚えているつもりが、空白になっていていい加減に勘違いしている状態のことや。」
元妻「ふーん。」(と言ってその場を立ち去る。)
息子が面倒臭がって中々自分で電子辞書で調べようとしないので、私が電子辞書のその個所を開いて指し示して、ようやく息子も納得した次第であった。ああ、先が思いやられる。そんなことよりも来月の10日にはもう、息子の公立高校の受験である。今週末には学校の懇談会に行って、受験高校を最終決定しなければならない。ああ、心配だ。本当に心配だ。気が重い。母子で揃って「うる覚え」何て言っているようでは、期待できないだろうな。でも宇治原君も「足が出る」の意味を「うる覚え」していたんだろうな、きっと。