龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

『アトピー闘病記』の再開 その1

確定申告の時期になって、昨年1年間の医療費の領収書を慌てて整理し、集計したところ何と60万円を越えていた。10万円を超過分が医療費控除の対象となるのである。この60万円のほとんど全てが、アトピー対策に使った費用である。以前に「アトピー闘病記」として僅かの期間、連載で書いていて気分的に鬱陶しくなって中断してしまったのだが、私は50歳になって突如としてアトピーになったのである。尤も医者に言わせれば、最近では歳を取ってからアトピーを発症する人が増えてきているとのことなのだが、私の場合は皮膚科の医者が認めないだけで、自分でははっきりとわかっているつもりなのであるが、原因不明のアトピーなどではなく、医者が画一的に漫然と処方し続けたステロイド外用剤を塗り続けてきたものを、自分の判断で中断してしまったことから重度のステロイド皮膚症となり、それが表面的には一般的なアトピーの症状となって表れてきたものである。ならばステロイドを止めずに継続して塗っていた方がよかったのかと言えばそうではない。なぜなら私はこの1年ほどで100パーセントとは言えないまでも、ほとんど完治に近いほどにアトピーの症状が治癒したというか、医者を無視して独力で治してしまったからである。ただまだ若干、背中などステロイドを多量に塗っていた箇所は、しこりのように固くなって皮膚に滑らかさがなく、また部分的に赤い小さな発疹や傷が残っていて痒みもあるし、掻いた後の血が多少下着につくこともあるが、日常生活には何の支障もないレベルである。これが1年前は大変であった。思い出したくもないが、一昨年の年末にステロイドを中断して年が明けて昨年の1月から2月くらいまでは、とにかく上半身が火傷したように腫れ上がっていて、背中から黄色い汁(体液)は沁み出してくるわ、痛いわで夜も寝れない状態が続いた。とにかく炎症している背中が痛くて上半身の重みを床に掛けられないので、当時、どのようにして寝ていたかと言えば、緩衝着としてダウンジャケットを着て、座椅子を45度ぐらいに傾けそこに横を向いて寝ようとしていたのであるが、ほとんど眠れていなかった。瞬間的に眠りに落ちても、1時間経つと時間を計ったように目が覚めるのである。それでそのままじっと横になっていても眠れないので、一旦、立ち上がって身体の状態をチェックしてから、気分転換にベランダに出て外の様子を眺めたり、心を落ち着けるために星や月を見上げながら般若心経を3回ほど唱えてから寝床に戻って行ったのであった。布団の中でも心の中で般若心経を唱えていると不思議と眠りに入れるのだが、また1時間経つと目が覚めて、同じように体のチェックをして、ベランダに出て外を見たり般若心経を唱えたりの繰り返しである。これを一晩に3~4回行っていた。よって慢性的に寝不足の状態であった。その当時の身体の変化で最も顕著であったのは、私はそれまで体重が74kgぐらいでそれまで何年間も一定していたのが、僅か2週間ほどの間に10kgも減ったことである。少し古い映画で『マシニスト』の主演、クリスチャン・ベールが1年間もまともに眠っていないことからがりがりに痩せ細った男を演じていたが、私はその設定が嘘ではないことを自らの身を持って知り得たのであった。自慢じゃないがそれまでの私はメタボ気味の体型であったので体重を落とさなければならない必要性から3年ほどスポーツジムに通っていたが(真面目に通っていなかったが)、1キロどころか300gたりとも体重の変動がなかったのが、何の努力もしていないのにステロイドの後遺症であっという間に10kgも減少したのである。それほどにきつかったということだ。夜、寝れないのが一番、つらかったが、その影響もあったであろうが、去年の3月ごろには精神的におかしくなってパニック症になってしまった。これはやばかった。閉所恐怖症になって扉を開けた状態にしておかないと風呂に入れなくなったり、風呂に入っていてもシャワーで頭を洗っている時に小さな子供のように恐怖に囚われて風呂から逃げ出したくなる衝動に襲われたりした。何かちょっとした昔のことを思い出せないことがあると、それだけでパニックになって外に出て空を見上げたり、深呼吸を繰り返して気分を落ち着けなければならない必要に迫られた。それから夜になるのが怖かった。これは中々理解してもらい難いことであろうが、アトピーという病気は自律神経が大きく関係しているとのことであって、交感神経と副交感神経のバランスなのであるが、一般的に交感神経は緊張状態を、副交感神経はリラックスした弛緩の状態を司っていると言われているが、その交感神経と副交感神経が双方ともに高いレベルで対立することなく活性化していれば健康なのであるが、自律神経の働きが低下してくると交感神経と副交感神経がスイッチのオン、オフのようにばちっと切り替わってしまうようである。そして人間に備わっている自然のサイクルで夜、暗くなってくると副交感神経が優位になって、私のようにその切り替えが急激であるとアトピーの症状が強く表れて体が痒くなったり、精神的に不安感が強く出てくることになっていたようである。これはアトピーだけでなく喘息などにも共通しているとのことであり、私は喘息の経験はないのでわからないが、夜、布団に入って気分的に落ち着くと咳が出だしたりするのも自律神経が大きく関係しているとのことであった。自律神経を整えるのに歩くことが効果があるということなので、夜の散歩も始めたのだが、とにかく夜の風景そのものが怖かったことを覚えている。ステロイドのリバウンドによる苦しみだけでなく、パニック症や不安神経症まで出てきたので、当時いろいろな病院や民間療法に駆けずり回っていたが、そこに心療内科も加えなければならないと絶望的な気分に陥っていたのだが、実は、パニック症や不安はちょっとした生活習慣の改善で短期間の間にすっかりと跡形もないほどに消えてしまった。それは何かと言うと、砂糖の摂取を止めたことである。それまで私はまったく知らなかったのだが、砂糖(特に白砂糖)は精神に良くないとのことである。何らかの脳内物質に関連していると思われるのだが、私も詳しくは知らないが、うつ病などとも深く関係しているとのことである。私は元々甘党ではないので砂糖や甘いものを好んで口にすることはなかったのであるが、それでもコーヒーに白砂糖をスプーンに2杯ほど入れて飲んだり、たまにはチョコレートなどを買って食べることもあった。そういう習慣をある日を境に一切、断ってしまったのである。スーパーなどで加工食品を買う時にも袋の記載を子細に調べるようになって、砂糖が入っているものは極力、避けるように努めた。そうしたところ、1~2か月ほどであったであろうか、劇的に変化して、パニックや不安がまったくなくなってしまったのである。信じられないかも知れないが本当のことである。まあ、元々の私の性質が単純と言うか、複雑には出来ていないのでそれほどの劇的な効果があった可能性は否定できないものであるが。砂糖や甘い物を止めてわかったことであるが、この世の中は実に、糖分に汚染されているのである。糖分が入っていない加工食品を見つけることは中々大変なことなのである。ともかくも夜に散歩していて、ある日、夜の風景から恐怖がすっかりと拭い去られていて、元に戻ったことを知った瞬間に何とも言えない感動を覚えたことを鮮明に覚えている。次回に続くかどうかはわからないが、このアトピー関連の話しは語れば語りつくせないので、まあ、私の気分次第である。