龍のひげ’s blog

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ドル金利引き上げの可能性について

それでは大統領選と関連した為替相場の動きはどうなるのかと言えば、まずFBIヒラリー・クリントン氏の訴追をしないと茶番的な決定をしたことで、トランプ氏の逆転勝利によるリスクオフで先週末に円高に振れていたドル円が一挙に元の水準に戻し、明日8日の選挙結果も、ほぼ間違いなくヒラリーさんの勝利になるであろうから、暫くはドル高基調が続くと考えられる。しかし年内には大統領選の他にもう一つ大きなイベントが控えているのであって、それは言うまでもないことだが、ドルの政策金利の引き上げである。現在においては12月に実施されることがほぼ織り込まれている状況であるが、私には疑問である。ドル高を期待する観点から見れば、クリントン氏勝利、それから12月金利の引き上げが、鉄板の流れとなるのであろうが、私は個人的には世間の予想とは反対に、クリントン氏勝利と同程度の確率で12月に金利引き上げが決定されるとは思えないのである。そう考える理由は、これまでのFRBの利上げに対する動きが、非常に慎重であった点に特徴なり傾向性が見出されるところにある。確かにFRBは段階的に引き上げるとは明言しているし、2015年の12月に7年ぶりに利上げをして丁度1年経過しているので、タイミング的には良いのだと思われる。雇用の数値もほぼ完全雇用に近い状態であるし、ダウ平均株価も史上最高値を更新してきているので2016年の締め括りである12月に上げるべきだと私は思うが(日本人の私がそう考えるのは大きなお世話かも知れないが)、FOMC委員の総意として、現時点において景気が過熱気味にまでは至っていないことと、インフレの弊害や金融引締めの特段の必要性が市場に見られないという理由から、様子見を継続させる現状維持の決定がなされるような気がしてならないものである。仮にそうなると現在のドル円相場はかなりのウエイトで12月利上げを織り込んでいるので、また失望による急激なドル売り円買いで、一時的に再び1ドル100円近辺まで円高になるであろうと予想される。問題はそのような流れになるとすればいつの時点で確定するのかということである。12月のFOMCの日程は、13,14日である。そこまで引き延ばして、いきなりドタキャンのように多数決で先送りが決定されるのであろうか。或いは今月の下旬ごろあたりから何らかの先送りを示唆するコメントが出てくるのであろうか、それとも大方の予想通りに12月に利上げが決定されるのか、今の時点ではわからないとしか言えないが、私の個人的な予想なり直感で言えば、5分5分以上に6:4ぐらいの確率で先送りになされそうな気がする。ということはヒラリーさんの勝利が決まって、為替相場が12月の利上げを織り込んでいる間にドル買いポジションを決裁した方がよいということになるが、難しいところである。なぜなら仮に12月の利上げが延期になっても、近い将来の利上げ期待は依然として継続されるからである。いずれにせよ取り敢えずは、明日の大統領選挙だ。それからゆっくりと考えることにしよう。