龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

論壇の思考能力

疑惑と言うものがあれば、そこに様々な見方が生じるのは当然のことだが、前回にも触れたようにある一定の意識があれば一目瞭然のことが、マスコミ等によって誘導、形成された大衆意識が数の論理や政治的な偏向で真実を歪めてしまったり、混乱をもたらすということはよくあることである。たとえば詩織さんの件について、一例を上げれば、「ハニートラップ」ではないかという意見もあるようだ。まあ言論の自由が保障されているのだから百花繚乱の意見が飛び交うこと自体は否定できないことであるが、個人的には正直に言って失笑を禁じ得ない。ハニートラップなどと簡単に言うが、まあ確かに国際社会の中での諜報活動においては現実に行われていることであろうが、詩織さんのケースにあてはめて考えて見れば、現時点で不起訴不当として訴えられている山口敬之氏の身に本当に疾しいところがないのであれば、フェイスブックなどでコメントするのではなく、正々堂々と記者会見を開いて当日の詳細と真相を説明できるはずではないか。または仮に詩織さんが嘘を言っているのであれば、山口氏の立場で考えれば、不起訴の裁定が既に下されている問題であるのだから、普通に考えれば何の躊躇もなく名誉棄損で反対に詩織さんを告発する流れになるであろう。少なくとも私が山口氏の立場であれば間違いなくそうするよ。それをしない、或いはできないということが、明らかにこの問題の真実を語っているのであって、ハニートラップの可能性を詮索するなど冗談にも程があるというものだ。それから識者の中には、このような問題においては、男性(容疑者)側の人権にも一定の配慮されなければならないのであり、山口氏の主張では当日にホテルで目を覚ました詩織さんが、「酔っちゃった」と言いながら山口氏のベッドに入ってきたということで、これが本当ならレイプは成立しないのだから、と尤もらしい解説をしているものであるが、皆さんはどう思われるであろうか。私に言わせれば、私も男性であり、男性(容疑者)への人権配慮が必要であると考えることは当然で、そのことについてはこれまでに繰り返し何度も冤罪発生の政治構造的な問題があるとして述べてきていることだが、そういうレベルの低いことを言ってもらっては困るというものであって、失笑どころか笑止千万だ。確かに酔っちゃったといって女性が自らベッドに入ってくればレイプが成立しないことは当然であるが、そんなことは敢えて言わずもがなのことであって、果たして詩織さんのケースでそのような可能性を100に1つでも考える余地があるのであろうか。詩織さんは2015年の4月3日から翌日未明の時間帯にレイプされたと訴えていて、ホテルを出た直後に病院へ行って、4月9日に警視庁原宿署に相談に行っていることは事実として確認されているのであろう。酔っちゃったと言いながら自らベッドに入ってくる女性が取る態度とすれば、明らかに不合理ではないか。その不合理が成り立つ唯一のパターンは、詩織さんが悪意を持って山口氏を陥れ、破滅させようとしている意思を持っている場合だけであって、百歩譲ってそうなのだとすれば、先に述べた通りに山口氏が記者会見を開いて反論したり、詩織さんを名誉棄損で訴えないことは絶対にあり得ないことなのである。こんなことは普通に考えれば誰でもわかることであり、個人的な批判はしたくはないが、今の日本は政治とマスコミの洗脳が末期的症状を呈していて、論壇のレベルもお粗末になっていると嘆かわしい思いで一杯である。そもそも山口氏が主張する「酔っちゃった」発言そのものも、TBSという巨大マスコミ企業のワシントン支局長という役職の人間が思いつく創作とすれば、幼稚というか、羨ましいほどの自己肯定能力とでもいうか、そのような人物が日本の民主主義を代表してTVに出ていたことを考えると情けないとしか言えないものである。