龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

AV出演強要問題について

前から密かに考えていることだけど、今のAV出演強要の問題は芸能界の問題であると思う。なぜならAV出演強要はスカウトが原因になっているからである。女性が自ら進んでAVのプロダクションに出演したいと応募するケースでは、言うまでもないことだが出演強要には該当しない。街中でスカウトされてモデルであるとか、ちょっとしたアンケートだとか芸能関係の仕事であるなどと騙されて契約書にサインさせられ、その流れで密室に監禁されて洗脳されたり、恫喝されて無理やりAVに出演させられることが昨年度あたりから社会問題としてクローズアップされてきている訳である。ところがスカウトは何もAV業界だけが行っているわけではない。有名な女優やTVでよく見かける女性タレントなども芸能界に入るきっかけは街中でのスカウトであったということはよく聞く話しである。大手の芸能事務所もスカウト活動を当然のようにしている。人目を引くような美少女が東京の原宿あたりを歩いていると一日に何人ものスカウトから声を掛けられるらしい。私は男で美形からは程遠い顔の造作なのでそういう女性の気持ちはわからないが、人生経験の少ない10代や20代前半の年齢で、容姿端麗な女性であれば何度も声を掛けられている内にもしかすれば自分も女優やタレントになれると考えたとしても不思議ではない。芸能界に憧れをいだいて抱いている女子であれば特にそうであろう。しかし芸能界に強力なコネもなく女優やTVタレントになれるような人間は、何万人に1人の割合であろう。それが学校で一番可愛くてもてたとか、地元では誰もが知るほどの美人でちょっとした有名人であったという程度では、東京などの都会でスカウトに声を掛けられてついて行ってもほとんどはAV行きになるのだと思われる。若い女性はどうしても自己評価が高くなってしまいがちなので、言葉巧みに熱心に説得されれば、うま過ぎる話しだとは疑いながらも心のどこかで自分も芸能界の誰それと同じようなセレブに成れるかも知れないという考えに陥ることはやむを得ないことである。そして挙句にはその道のプロである業界の男たちに囲まれて契約を盾にAV出演を迫られれば女性一人では太刀打ちできないであろう。だからこれは確かに人身取引に準ずるような人権問題であるとも言える。しかしこのような問題を解消する方法は実は簡単なのである。大手芸能事務所が自粛してスカウト活動を一切やめてしまうか、街中でのスカウトそのものを法律で禁止してしまえばよいのである。AVにせよ、女優やタレントなど全ての芸能活動への入り口を本人の意思表示で応募してきた者のみに限定すれば、このようなAV出演強要のような事態は発生しないはずである。AVの出演強要問題は、仮に本人が同意していたとしてもその同意に至るまでの過程において錯誤であるとかごまかしが多分に含まれていて、後から後悔しても取り消しが効かない状況に追いやられるということにあるのであって、その原因は全てスカウトに帰結することは明白であるはずだ。スカウトそのものを法律で禁止するか、AVとは全く関係のない大手芸能事務所がスカウトをやめてしまって、街中でスカウトをしている人間は必然的に全てAV関係者であるという状況にすれば、女性が騙されてAVに出演させられたとか、後悔してキャンセルしたかったが許されなかったということにはならないはずだ。自民党は昨年度あたりから急に思いついたようにこの問題を取り上げ始めたが、どうして根本的な原因であるスカウトについては規制しようとしないのであろうか。ここには明らかに自民党と芸能界やマスコミ業界との闇が横たわっているものである。繰り返すがAVに問題があるのであれば、それは芸能界やマスコミの問題と底流においてはつながっているのであってAV業界だけを分離して議論できるような性質のものではないはずである。何かの闇を見ようとする時には、そこには常に政治の闇が反映されているのである。