龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

不正の可能性に目を光らせよ

そういうことで結論として言えることは、憶測で決めつけるようなことを言ってはいけないということもあるであろうが、それでも東京都港区、南青山の児相建設計画は極めて「怪しい」ということである。計画のプロセスがわからないところがあるが、漠然とした雰囲気だけの必要性で推進、強行されているような節が感じられる。確かに日本全体で見れば児童虐待は大変、深刻な社会問題である。しかし100億円もの予算を計上して作られる施設であるならば、その費用対効果であるとか、費用対必要性をいう観点から厳密にその場所の地域性を踏まえて、「感情論」ではなくて「人間科学的」に検証されなければならないはずである。そしてそこには地域住民の意見が考慮されなければならないことも当然である。議員や議会は、一体何を根拠に南青山のような治安のよい地域に新規の児相を作ることに、100億円もの価値があると見做しているのであろうか。これまでの報道ではそういうところが全く見えてきていなかったではないか。
現時点でどのような段階にあるのかわからないが、この計画の推進、或いは決定に関与している全ての議員の身辺が調査されるべきである。議員本人だけではなく、親族の会社もこの建設計画から利益を得る可能性がないか調べられなければならない。親族だけでなく後援会の企業なども怪しい。後援会の企業が工事や物品の納入を請け負って、後にその受注金額の一部が献金として、政治家の懐にバックされるのはよくある不正の手口である。100億であれば1%が還元されても1億円である。だがこのような場所のこのような物件ならば業者は目一杯、利益を取るであろうから1割戻されてもおかしくはない。ということは10億円ものマネーが特定の議員間で山分けされる可能性に対して我々国民は目を光らせて監視しなければならないのではないのか。政治とカネの問題として、検察が動いて捜査が行われ議員や関係者が逮捕されるような事件は、実際に行われている不正全体の中で見れば、ほんの一部だと思われる。恐らくは氷山の一角なのだ。全てに手が回らないということもあるであろうが、全ての不正を摘発すべきではないという内部要請もあるであろうと思われる。全部、暴いていたのでは日本の政治機能(元々大して機能はしていないが)がストップしてしまうからだ。とにかくこの児相建設の問題は、証拠はないので断定はできないが、とにかく胡散臭い。地域住民の反対運動も証拠がないので声に出しては言わないものの、そのような胡散臭さに本能的に反応している部分も大きいのではないかと想像される。本来は税金の正しい使われ方や不正の可能性に対しては、マスコミが政治権力のオブザーバーになって世論や世相が一面的な感情論に流されないように正確な情報や判断材料を国民に伝えるべき役割を担っているはずである。ところが最近のマスコミは悪徳政治の片棒を担ぐようなことばかりをしているから、政治の様々な不正や堕落、疑惑に対する嗅覚が鈍ってきているという以上になくなってきてしまっているものである。その結果、権力を監視しているのではなくて権力の都合の良いように国民全体を一面的な正義や倫理の感情論で押し流してしまうような論説の言論を野放図に垂れ流すことしかしていない。今回の南青山、児相建設問題などはまさにその通りの反応、反響ではないか。これが日本の民主主義のレベルなのである。まあ私も最初はそのような論調に乗せられそうになったので、あまり偉そうなことは言えないが。とにかくこの日本の民主主義のレベルを引き上げていかなければならない。単純な判断材料ではあるが、政治的に大きな金が動くときには、その案件と状況にもよるので一概には言えないが、そこに大きな正義があるのではなくて、不正の手段として市民感情の正義や倫理観が利用されている可能性が少なからずあるということである。今のマスコミは本当に映像や文章や発言を見栄えのいいように取り繕っているだけの「役立たず」だ。