龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

崩れ始めたアジアの均衡

トランプ大統領は貿易はともかくも外交に関しては素人同然だと思われる。特にアジアの情勢については何もわかっていない。昨年にトランプ大統領北朝鮮に対して、脈絡もなく手のひらを返すように突如として宥和政策に転じた。北朝鮮核兵器や施設の全面的な廃棄など本気で考えている訳がないことを見抜けていないのである。平気で嘘をつく国であるということがわかっていないのだ。対トランプ大統領というレベルだけで見れば明らかに北朝鮮の方が役者が上である。北朝鮮は第一段階としてアメリカを交渉のテーブルに引きずり出させて、対等に話し合う姿を世界にアピールすることが出来ればそれで大成功であったと言えるであろう。嘘であれ何であれ、アメリカと対等に交渉し得る地位を獲得することができさえすれば、後はその延長線上で様々な取引を行って自国の影響力と存在感を増していく段階にステップアップできるということである。結果的にはアメリカの相対的な地位の低下と北朝鮮の脅威の増大の土台を作ったことにしかなっていない。だからトランプ大統領北朝鮮に対する姿勢は明らかに失政であったと言える。そしてその影響が早くもアジアのこれまでの均衡の形を崩し、変容させる方向性に現れ始めている。アメリカが北朝鮮との歴史的なデタントにあっさりと踏み切ったことで、韓国が北朝鮮を敵視する必要性と意義が薄らいでしまったものである。そもそも韓国という国はこれまでのどの大統領の政治であっても表面的には北朝鮮との苛烈な対決の姿勢を示していても、底流においては血は水よりも濃しで祖国統一の願望は一貫しているものと見られる。特に今の分在寅大統領は北朝鮮に対する親近感が強いので、トランプ大統領の変節的な外交転換によって、韓国と北朝鮮の対立の構図がほぼ消滅してしまったものと考えられる。そしてそのアジア諸国の均衡が変化したことのしわ寄せが、韓国の反日政治が過激化することの大きな要因となっている。説明するまでもなく日本と韓国が連携して、北朝鮮の脅威に対峙する必要性が薄らいだからである。むしろ北朝鮮と韓国が連携して、より一層、反日政治を強める方向性にアジアの政治力学が変質し始めたと見做すことが出来るのではなかろうか。レーダー照射問題において、韓国の駆逐艦が海洋上で北朝鮮の船籍と接触中に、日本の自衛隊哨戒機との間でこのような不測の事態が発生したことは、これまでのアジア的均衡が大きく様変わりしていくことの象徴的事件のようにも感じられる。しかし前回にも述べた通り、韓国は昨日、今日に始まったことではなく一貫した反日政治が継続されてきたものであり、また国家体制の実質とすれば資本主義という点は共通していても、日本のような民主主義というよりも北朝鮮や中国と同じ社会主義国なのである。社会主義国であるからこそ反日の政治は変化することがないものである。よって韓国と北朝鮮が連携の度合いを強めるということは民族的にも国家体制的にもある意味では必然の成り行きであり、日本に対する政治的な圧力や軍事的な脅威がより一層、高まることは覚悟しなければならないことであるが、日本と韓国との同盟体制という偽りの構図が消滅していくことは、日本が真の自主独立国家へと生まれ変わっていくためには中・長期的な目で見れば不可避のプロセスであると言えるのではなかろうか。それに今回の事態はトランプ大統領の失政が招いたことなのであるから、これ以上アメリカから韓国との同盟強化を指示される理由はないはずである。さらに付け加えて言えば、今、日本と韓国との関係悪化で拉致被害の解決が遠のいたなどと危惧される主張は、韓国と北朝鮮の連携による日本に対する「揺さぶり工作」でしかない。韓国の協力で拉致問題が解決するのであれば、とうの昔に解決しているはずである。韓国は、拉致問題解決へのカードを材料にして日本の政治に譲歩や屈服を迫っていることは明らかである。今回の報道に限ったことではないが、とにかく日本の通信社の記事内容には要注意である。韓国や諸外国の思惑に寄り添った主張であることがほとんどである。なぜそうなるのかと言えば、通信社は海外の一次情報を仕入れる上でどうしてもその国の日本に対する要求や誘導を含んだプロパガンダ的な情報を生のままで伝えることになるからだと考えられる。そしてそのようなプロパガンダの情報が、その通信社自体の思想へと育っていくのである。