小泉首相は13日(日本時間同日夕)、パレスチナ自治政府議長府で、アッバス議長
と約1時間、会談した。首相は、イスラエルとパレスチナ武装勢力の紛争拡大を抑えるため、議長に指導
力を発揮するよう求めた。…(略)…また、首相はパレスチナ自治区の水道整備事業などに合わせて約3
000万ドル(約33億9000万円)の無償資金協力をする方針も表明した。
(7月14日読売新聞朝刊)
小泉首相は、わざわざパレスチナにまで何をしに行ったのか。日本の国際貢献名目の金の使い方には今更
ながら非常に疑問を感じる。この国の本質はいつまでたっても変わらない。経済支援が悪いとは言わな
い。しかし国連への拠出金についてもそうであるが、地位や影響力に見合った妥当な金額というものがあ
るのではないのか。1993年以降、日本のパレスチナへの支援額は8億3000万ドルにも達する。戦
争状態の地域に、たとえ国家建設のための自立化支援としてであっても闇雲に拠出し続けることに意義が
あるのか。水道整備事業だとか医療支援と言っても、紛争が続く限り支援金が本来の名目に沿って使われ
る保障はない。むしろロケットなど武器の購入資金として使われると考える方が自然ではないのか。もし
そうなら我々の税金は人殺しのために役立てられていることになる。金を出せば偉いというものでもある
まい。金を出すなら金を出すだけの責任があってしかるべきだ。日本の存在感を世界に示したいのであれ
ばイスラエルとパレスチナの紛争を終わらせるだけの影響力を持とうとする本気の姿勢が必要だ。もし、
日本が中東紛争に終止符を打ち平和を樹立する重要な貢献が出来れば日本の世界的地位は一挙に向上する
であろう。チャンスは無数にあるのだ。日本の政治家にはもっと勇気を持って欲しい。国際政治の交渉現
場が背景に軍事力や経済力を抱えてのものであるのは当然だが、最終的には人間力の勝負なのではないの
か。私が見る限り、日本の政治家は諸外国の首脳に対して人間力で大きく負けているのだ。手土産の金だ
け持って、のこのこ出かけるような恥ずかしい真似はもう二度と止めて欲しい。それから国際貢献という
名の実績数字を残すことしか考えられないような官僚達の役人仕事は百害あって一理もない。そんな人間
は即刻、首にすべきだ。日本はもうそこまで来ているのだから。