龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

生きること、書くこと 39


案の定というか、はなからわかっていたことではあるが、大阪府知事選で橋下氏が当選した。橋下氏は弁

護士であるとともに人気のある法律相談のバラエティー番組にレギュラー出演していたタレントである。

訴訟やそのための弁護士探しに奔走した経験がある人ならおわかりいただけると思うのだが、日本テレビ

の『行列の出来る法律相談』という番組はまったく馬鹿げている。あまりにも実態からかけ離れ過ぎてい

るからだ。

現実には、その番組内容のような日常生活の細々としたトラブルに弁護士が正義感と信念をもって弁護活

動をしてくれるなどということはあり得ない。弁護士といっても様々であるから、一括りに述べるべきで

はないのかも知れないが大体においてそうなのである。富山県の強姦冤罪事件が典型的に示しているよう

に一般的に弁護士は、委任者の利益よりも司法手続きや一般人には難解な法令解釈、またそれらに付随す

る権威というものを優先する傾向が高く、正義などというものはほとんど不在なのである。もちろん、こ

れは一弁護士だけの問題ではなくて司法界、いや社会全体の構造的欠陥なのであるが。

メディアが注目するような事件や、政治性の強い案件には弁護士も力を入れてくれるであろうが、一般人

が抱えるようなトラブル程度では、それが当人にとってどれほど深刻なものであっても、大金を積まない

かぎり弁護士は引き受けてくれないことが多い。また運良く受任してもらえてもほったらかしにされるも

のなのである。

そのような問題意識などまったくなく、本業を疎かにしている弁護士がTVを通してただひたすら安っぽ

い親しみやすさを訴えかけて大衆迎合し有名人になる。それでTVに出まくって荒稼ぎをする。最後には

選挙に出て圧倒的に勝利する。このような構図をおかしいとは思わないか。

タレントを担ぐメディアなどの一部資本や政党は、政治に素人の人間を傀儡というか家来にしやすいであ

ろうし、タレントは自分が世話になった資本や業界構造の既得権益に手をつけることは出来ない。新聞社

は、企みがばれないように行政手腕が不安だと批判的なコメントを残して一部国民の声を代弁してみせ

る。これらは全て極めて巧妙な馴れ合いというか癒着の構造なのである。それで日本はどんどん地盤沈下

を繰り返し滅亡へと向かってゆくのである。

私がメディア再編の必要性を強く訴えるのは、こういうところに理由があるのである。メディアのやらせ

的な影響力が市民生活の隅々まで浸透し、一部の資本が日本全体を牛耳っているような様相になってい

る。

今回の大阪府知事選にしても、あれだけの頻度でTVに出続け、親しみやすさがばら撒かれている候補な

ら負けろというほうが無理な注文である。橋下氏ではなく別のタレントであってもほぼ100%勝てるで

あろう。負けようがない戦いであるのだから、そもそもフェアな戦いとは言えないし勝利自体に何の価値

もない。

実は私は一年半ほどまえになるだろうか、共産党推薦の梅田章二氏にお会いしたことがある。自らの問題

で弁護士探しに駆けずり回っていた時だ。藁にもすがる思いで共産党事務所を飛び込んだときに紹介され

たのが梅田氏であった。いい弁護士を紹介してくれたと思う。ただ面会して30分ほど話しをしたが、や

はりあまり好い顔はされずに受任してもらえるまでには至らなかった。とは言っても別に恨みに思ってい

るわけではない。その証拠に梅田氏を紹介してくれた女性の共産党職員が「今度知事選に出るときには是

非、応援してあげてね。」と依頼され了承した約束を私は律儀に守って一票入れてあげたからだ。

しかし、梅田氏は私の委任申し出を蹴ったことの罰でやはり落ちてしまった。四年後も難しいのではない

だろうか。

そもそも共産党は、日本の今の様々な状況を考えると本当はもっと議席を増やすことが出来るはずなので

ある。原因は何ていうか、体質が古すぎるのだ。革命政党とか言われながら、大衆迎合的な主張ばかりに

終始し根本的に日本を変化させるようなダイナミックな潜在力が感じられない。そういう意味では一番哀

れな政党に成り下がっているように私には思える。国政選挙で、「確かな野党」と連呼するのはいい加減

にやめてほしいものだ。与党になる気概のない政党が一議席でも増やすことが出来れば奇跡だと考えるべ

きである。

日本に今、一番才能が要求される分野が政治の世界であると思う。そういう意味でもメディアなどの一部

資本が素人のタレントを政治家に仕立てて、安定を維持しようとするような構造は打破していくべきだと

思う。そもそもバラエティ番組など必要なのか。ないと誰が困るのだ。スポンサーである企業の自動車や

化粧品などが売れなくなるからか。我々市民には“でも、そんなの関係ねえ”だ。今後すべてのバラエテ

ィ番組には、「これは子供向きの番組です。」というテロップを入れることを要求する。そして全ての新

聞の番組欄にはそれら子供向け番組を色分け表示することを。



「インターネット新聞JANJANは素晴らしい。私は早速、市民記者というものに登録した。今後この

ブログと平行してJANJANにも実名で思うところを書いていきたい。」