龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

富と権力の偏在

タレントのみのもんたさんについての件であるが、確かに親子であっても別人格ではある。法律的にもそうだし、たとえば金融機関の対応などを見ても明らかなように別人格としての本人確認が徹底されている。よって今回のように、子供が不祥事や犯罪を起こした場合に、親がある種の連帯責任を取らされるべきであるかどうかという点については、非常に微妙な問題であると言えよう。なぜなら反対のケースも有り得るのである。反対とはどういうことかと言えば、同じ身内の犯罪であっても、仮にみのもんたさんが何かで捕まった時に、息子が会社を辞めさせられたり謹慎しなければならないのかと言えば、決してそういうことにはならないであろう。また夫婦間であれば、それこそまったくの別人格として連帯責任など論外ということになるのではないのか。しかし今回のみのさんの件に関して言えば、多くの人が指摘し考えている通りに、コネ採用の問題がある。本質的には子供の犯罪についての親の責任の在り方というよりも、親の七光りで採用された人間が社会的な問題を引き起こした時に、その親には責任はないのかという問題である。みのさんの次男は、日本テレビに勤務していた。誰が考えても、みのさんのコネ採用であろう。というよりも、今や大手マスコミには一般の学生が普通の就職活動で、そう簡単に入社できるような世界では有り得ない。競争率がどれだけになるのか知らないが、もはや凡人が勝ち抜ける領域ではないであろう。ところがみのさんの息子のように絶対的なコネがあれば、馬鹿でもちょん(もちろん韓国人という意味ではなく、本来の取るに足りない者の意である)でも入れる世界である。私は何も一般的にコネ採用を否定するものではない。採用される者だけではなく、採用する企業にもコネのメリットは大きなものである。先ず何よりも、不要な身辺調査などしなくとも身元の確かさがはっきりしていることと、コネ採用を通じて利害を共有する者同士の関係性を永続的に緊密にしていけることが可能であるからだ。よってこの先も企業のコネ採用は決してなくならないであろうし、また無理をしてなくしていく必要性があるのかと言えば疑問に感じるところもある。しかしマスコミ業界はちょっと度が過ぎているところがあるのではなかろうか。みのさんの次男が勤めていた日本テレビの平均年収がいくら位であるか、ご存知であろうか。何と1425万円である。
正式には公表されていないが、NHKなどもそれ位の平均年収があると言われている。それでは世界に冠たる技術力を誇る日本の製造業が、どの程度の給与かと見れば、大体700万円ぐらいで大手マスコミの半分である。たとえば、トヨタ自動車でさえ平均年収は740万円である。
上場企業全体の平均年収が約600万円と言われているので、大手マスコミがいかに恵まれているか、よく分かるであろう。消費税増税においても大手新聞社やテレビ局などは、一致団結して増税せよと大合唱してきたものであるが、年収が1400万円もあれば消費税が3%や5%引き上げられたぐらいでは大して痛くも痒くもないであろう。月収ベースで110万円もあれば生活必需品などの支出が月々3万円や4万円増えたからと言って、さほどどうってこともないものである。結局はそういうことなのである。社会の公器だ、公共性の要だなどと自負していても、所詮は自分たちのことしか考えていないのだ。だからこそ恥知らずにも、新聞協会は新聞に軽減税率を適用せよなどと政治運動のような主張を展開させることもできる訳である。こういうマスコミの横暴をいつまでも許しておいてよいものであろうか。政治とは国家の富の分配を司る機能、役割である。しかし日本においてはあまりにもいびつにマスコミに富が集中し過ぎているのである。これではマスコミ以外の一般的な国民が真面目にコツコツ働いて生計を成り立たせていこうと考えることが馬鹿らしくなってくるというものだ。みのさんの息子が起こした犯罪は、親子間の連帯責任の在り方や、コネ採用についてだけでなく、マスコミに富と権力が集中し過ぎていることの日本の不平等な社会構造を浮き彫りにさせているものである。週刊誌の見出しによれば、みのさんは自分は歴代の総理大臣とさしで食事をするぐらいの大物であると自慢し、また実際に安倍総理などとも親交が深いようであるが、日本の政治は本来は民間の一企業でしかない新聞社やテレビ局などに富と権力が集まり、特権階級の支配者のように構造化してしまっている現状を改めていく必要性があるのではないのか。日本においては資本主義経済という食物連鎖の頂点にマスコミが君臨し、緩やかにではあれ政治的な情報統制がなされていることは紛うことなき事実である。マスコミ改革に着手し進めていかなければ、民主主義の健全な成熟や経済の発展、そして国民の最低生活レベルの改善や日本政治の世界的な地位の向上は見込めないと考えられるものである。それだけ日本のマスコミの問題は、まさに人体における癌細胞のように根深くて深刻だと私は思う。皆さんはいかがお考えになられるであろうか。