龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

普天間飛行場移設について

今更のことではあるが米軍の普天間飛行場問題については、個人的には、公式に辺野古への移設が合意されているにせよ、仮にも日米同盟が存在するのであるなら、もう少しは日本の世論や内情に合わせた再交渉を、一旦白紙化してでも出来なかったのかという思いはある。辺野古に移設しなければ良好な日米関係を維持できないというのであれば、話しは別であるが、果たしてそこまでの重要性が普天間飛行場に、日本に駐留する米軍基地全体の割合から見ても、日本の安全保障への戦略的な位置付けにおいてもあると言えるのであろうか。本来なら移設ではなく廃止でも、少なくとも国防上の抑止力の観点から見れば、全体的にはさほど大きな影響があるようにも思えないものであるが、さすがにそこまでは米国に要求できないにせよ、日米同盟を基軸とした政治の範疇において、それに近いところの話し合いが出来る筈であるし、また出来なければおかしいと言えるものである。結果はともかくも、米国に対する日本政治の自由度や柔軟性が低過ぎることはやはり問題だと思えるものである。何のために、いわゆる「思いやり予算」として年間1800億円も支出しているのかということになる。まともに交渉すら出来ない領域に、そこまでの金を出すというか、出させられている状況は間違っているとしか言えないものである。民主党の鳩山政権にしても対等な日米関係を構築するとか、最低でも県外に、などと選挙前の公約だけは、大層ご立派なものであったが、いざ現実を前にすると自分で勝手に期限を設定して押し黙ってしまうばかりで、何ら米国政府どころか駐日米大使相手にすら本気で交渉した痕跡がまったく見られないものであった。恐らく鳩山首相は、回りの官僚たちに説得されて最終的に方針変更せざるを得なくなっただけのことである。大した脱官僚である。結果的には、交渉の出発点にすら辿りつけていなかったし、そもそも当初から米国相手に交渉しようとする気概を持っていたかどうかも疑わしいものである。そして鳩山首相は当然のごとくその責任で辞任に追い込まれ、その後を引き継いだ菅政権や野田政権も選挙前の公約などどこ吹く風とばかりに鳩山氏の変節を保身的に踏襲したものである。本当に情けない限りだ。前回に述べた辻元清美氏にしても、ひょいとばかりにそういう政党に乗り移ったのはよいにしても、そこで民主党移籍後に、この普天間問題に対して党内だけでも、どれだけの働きかけをして、どれだけの成果が得られたと言うのであろうか。少なくとも民主党としての辺野古移設への決定は、何ら変わっていないではないか。本当に話しにもならないような連中だとしか言えない。私は個人的には、日米同盟を損なわない程度の日本側の主張は、米国に対して最大限に働きかけていくべきだと考えるものである。それが何よりもの基本ではないのか。主張すべきことも主張できないような同盟に何の意味があるのかということである。それから普天間基地が最終的にそのまま固定化される事態となったとしても、飛行場の周り半径数キロ圏内の住民家屋、学校、施設など全てを沖縄の他の地区に国の負担で移転させる選択肢は有り得ないのであろうか。沖縄は本土に比べれば地価や物価も安いであろうし、ついでに沖縄を縦貫する鉄道を設置して再開発すればよいではないか。そしてその再開発計画の中で、米軍基地と住宅の住み分けをきちんと配置し直せば、一石二鳥である。当然、金はかかるであろうが、自民党の基本的な経済政策は10兆円規模の公共事業ばら撒きであり、その方向性とも合致するものである。その経済対策の金をそっくりそのまま沖縄県のみに振り向けてもよいのではないか。結局、沖縄に米軍基地が集中している現状は、国の安全保障の問題だけでなく、実は経済を含めたあらゆる面で沖縄を切り捨てているというか、差別している結果であるとも見れるものである。よって国は今こそ、これまでの沖縄に対する罪滅ぼしをなすべき時である。