龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

闇営業の実態は解明されていない

舛添さんもたまにはいいことを言うな。確かに吉本興業の社長を吊し上げる報道は、ナチズムへの入り口だ。とは言っても、今に始まったことでも、この問題に限ったことでもないが。しかし、舛添氏の言う通りであるが、吉本興業の社長は資質的に問題があることは事実であるようだ。何よりも宮迫と田村亮の契約解除を撤回して、自身の給与を1年間50%減俸することを発表したが、それでは単に吉本興業という企業の内輪の問題収拾で、社会全体に対して何一つとして解明されたことにはなっていないし、何のけじめにもなっていないではないか。宮迫と亮に世間の同情が集まり過ぎたゆえに、経営者としての役割を投げ出すように自己保身に走った結果、何の意味もない記者会見になってしまったのであろう。あの記者会見の様子では、記者会見から逃げ続けてきた理由もわかろうというものだ。社長としての自覚が少しでもあるのであれば、今、求められていることは、自身の口から吉本興業の一体、何に問題があって、それをどのように改革に導いていくかをわかりやすく説明することではないのか。或いは今の吉本興業に問題も改革の必要性もないというのであれば、そうはっきりと断言すべきである。パワハラや恫喝についてばかりを追求する記者の質問もどうかとは思うが、吉本興業の経営者としての責任感、使命感があるのであればタレントと同じように泣いている場合ではないであろう。社長も国民からの同情を欲しているかの、くだらないコントを見せられているような思いであった。
それから宮迫と亮の記者会見での発言を見ている限り、嘘をついているようには思えないし、また実際に嘘はついていないのであろう。しかしそれで実態の全容が解明されたわけではないし、また吉本興業が抱えているであろう闇の深さも見えてはこない。そのような企業が政治とのつながりもあるということが不気味である。フライデーの記事がいい加減なことを書いていたのでなければ、宮迫らが忘年会に参加した特殊詐欺グループは、僅か数年間で100億円近い金を稼いでいたようである。一口で100億円といっても、これは途轍もない金額である。宮迫や亮は知らなかったということであるが、一般的にはヤクザなどの反社が俳優やタレントなどの有名人と交流する場合は、自分たちがどのような人間であるかを相手側に分かってもらった上で関係性を持とうとするものであろう。たとえばヤクザの組長が親族の結婚式にタレントを招待したり、一緒にゴルフをしたりする時に自分がヤクザであることを隠したり偽っても何の意味もないものである。反社の人間は、自分が反社であることを知らせた上で有名人と対等に交際することがステイタスであり、社会性の獲得を意味することになるのであろうと考えられる。私は当初は、今回問題になった特殊詐欺グループもそれと同じ構図である可能性が高いと考えていたし、今もその疑惑が解消している訳ではない。犯罪で得た金であっても100億円となれば、これはまぎれもなく社会的なパワーを意味するものである。それだけのパワーを得れば、その組織の統率者や幹部連中は、電話で年寄りから金をだまし取るだけの日陰者の犯罪者として隠れていることは出来なくなってくるのではなかろうか。有名人と交際することで、ある種の社会性を追求しようとすることであろう。そしてそれが警戒心の緩みとなって問題の忘年会から1年も経たずに警察に捕まることとなったのであろうという推測が私の中では今でも最も筋道が通っているものである。もちろん詐欺グループがエステ会社とか何とか正体を偽って1回だけの忘年会に計300万円のギャラをタレントに支払ったというパターンも否定はできないが、私は特殊詐欺の犯罪グループが自分たちの正体を明かした上で吉本興業のタレントと親密な関係性を構築しようと考えたということの方が有り得そうに感じるものである。もちろん私の勝手な憶測なので実際のところはわからないし、そういうことは警察でもなければ踏み込める領域でないのかも知れないが、見ていて激しく同情をかき立てられたり、真相を解明することよりも経営者をバッシングするだけの記者会見が、日本の公共的な報道空間を大きく占拠していることに疑問を感じざるを得ない。