2009-04-06 春と魂 詩 #詩 ただ何気なく 辺りの光景を眺めている時にふと 肉体とは別の魂の感覚に気づく。 子供たちの笑い声、 小風にそよぐ色とりどりの、のぼり旗、 目の前を通り過ぎる人々の一瞬の表情、 駅前で売られているカンパニュラの花の透き通る青紫が 今、確かに私が生きていることを証明するかのように 五感に沁み入る。 いつの間にやらすっかり春めいて 私は雑多な街角にただ一人 茫洋と佇んでいる。 生者の身体と 死者の心で。