龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

生きること、書くこと 144


「今回はたまたま42型のプラズマTVを買ったから配達してもらうことになったけど、物によっては当

然店から直接持ち帰りすることになるのだから、その後にその商品をどこで使おうとこっちの勝手ではな

いか。」

要するに配達先で長期保証の不可を区分するのはおかしいのではないか、ということである。すると電話

で応対した女性が説明するに

「確かにその通りですが、出張修理をする際にカードに登録されている住所以外の場所になりますとやは

り長期保証の対象外ということになってしまいますので。」と言う。

なるほど一見、尤もらしい説明ではある。しかしちょっと考えればその説明にも矛盾がある。なぜなら大

型のTVだから出張修理ということになるのであって、小型のハンディビデオカメラなどではどこかの修

理センターに送付することになる。ならば商品の価格ではなく大きさで長期保証にする対象商品の前提条

件が変わってしまうことになり、不公平と言うかナンセンスである。そもそも一概に電化製品と言っても

テレビやエアコンのように備付け型タイプのものばかりでなく、移動を伴う小型商品も多いのだから配達

先や出張先と長期保証条件を連動させるのはおかしい。純粋に法律的な考え方をすればその商品の所有者

が長期保証を受ける権利があると看做すべきだ。私は元妻に対してはTVの所有権を主張するつもりはな

いが、ミドリ電化に対しては私が直接店に出向いて自分の財布から金を出しているのだから当たり前のこ

とだが私の所有物である。そういうことを繰り返し主張すると応対している女性は、「でもこれは当社の

規則ですから。」と困ったように答える。しかし私は尚もその規則の疑問点を問いただした。

「それなら別荘を持っている人が、その別荘で使うTVを購入する場合はどうなるんですか。別荘はカー

ドに登録されている住所と異なるわけだから、長期保証を受けようと思えばその別荘の住所でもう1枚、

別のカードを作らなければならないことになるではないですか。」

と言うとその女性もなかなかにしぶとくて

「実際にそういうケースもあるのです。その場合にはもう1枚、別のカードを作ってもらっています。」

と答えたのだが、そんな馬鹿な話しはない。私はクレジットカードは好きではないので必要最小限にしか

持たないから詳しくは知らないが、普通はカードの登録住所は住民票に記載されている住所にするもので

あって、自分が所有している不動産ごとに住所を変えてカードを保持する人間などいないのではないの

か。そのような理屈であれば居宅とは別に複数の賃貸マンションを所有している家主が、店子のために各

部屋にエアコンを備え付けしようとする場合、エアコンを販売する量販店にとっては大口の優良顧客であ

るにも関わらず長期保障のサービスを受けさせないということになってしまうではないか。家主は部屋数

だけのカードを作らなければ修理代に莫大な費用が掛かってしまうことになり現実的ではない。もちろん

私のケースとは全然スケールが違う極論かも知れないが、論理的にはそういうことになる。別に私は6千

円位の追加金を払ってもよいのだが、“社会論理”の討論になるのであれば相手が誰であれ負けるわけに

はいかない。そうすると、その女性はこの客は私の手に負えないと判断したのであろうか、「ちょっと、

お待ち下さい。」と言って男性の店員に代わった。

手ごわい責任者のご登場か、と思った。同じような仮定の話しを何度もして規則の矛盾を追求するのは面

倒なので私は単刀直入に

「要するに私が直接そちらのお店に出向いて、自分の金でTVを買っているのに長期保証適用の例外扱い

されるのが納得できないということなんですよ。これまでと同じように買っているのに何が問題なんです

か。」

と言うと、店員は反論せずに

「そうなんですか。」と私の主張に理解を示すかのような雰囲気である。それで店員は私がカードに登録

している電話番号を聞き何かデータの照合をしているようであった。店員はあっさりと

「それではお客さんのカードに付け替えさせていただきます。」と言った。

私が、「長期保証を受けられるということですか。」と確認すると

店員は、「はい、そうです。どうもすみませんでした。」と謝った。私は店員にTVの領収書の伝票番号

を伝え、店員はPOS画面で私のエディオンカードへの購入の切り替えをしているようであった。最後に

店員がまた「すみませんでした。」と謝るから、私は申し訳ないような気持ちになって、「いや私はおた

くの店は他店よりも安いし、品揃えも豊富だし、サービスもいいし大変に評価しているんですよ。またこ

れからも利用させてもらいますから。」と言った。別にリップサービスではなく本心である。それで私と

ミドリ電化の電話による一幕の交渉劇は終結したのであった。