龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

美を生む毒

毒を有する植物の花には独特の美しさと佇まいがある。どこか世を儚んでいるかの風情が、路地裏の道端などにひっそりと咲いている光景に遭遇すると心を魅かれて見入ってしまう。意外と民家に多く植えられているのが朝鮮朝顔の木で、私は下向きに咲くエンジェル・トランペットとも呼ばれる花が好きだ。他には、透き通るような美しい水色のケシの花を是非、見たいと願っているのだが日本では無理であろう。高地には、高地にだけ存在する花の色がある。
日本的な有毒の花と言えば、彼岸花がある。今ではもう花の時期は終わってしまったが、近くの小学校の校庭フェンスから外に溢れるように咲いているのを通りがかりに、立ち止まって眺めていたものだ。美を生む毒の正体とは何であろうか、などと事を考えながら、ここで一句。
 
彼岸花 小風に揺れる 憂いあり
彼岸花 陽に当らずば 紅は闇