龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

日銀総裁としての適性について

物言えば 唇寒し 秋の風、ではないが黒田が何か言えば、為替相場の雰囲気が急に悪くなってしまうんだな、これが。今日もそうだが、黒田氏の発言後に明らかにドル円の上値が重たくなって、円高方向に流れが変わってしまった。103円台に戻して、日本の当局のほっとした気の緩みや緊張感の欠如が表れているような黒田氏の発言であったように感じられる。全てにおいて言えることだと思うが、すぐに安心してしまうところが日本の悪い所である。目の前のことしか見えていないから、急場凌ぎで直面するピンチを何とか通過させると、すぐに弛緩したように油断してしまって、総体的な危機管理が何もなっていないのである。それで再び日銀の黒田氏の、外国勢力におもねているのか、日本の国益を代表しているのか、自己保身しか考えていないのかよくわからないような性質の発言が寝言のようにむにゃむにゃ出てきて、市場のムードをまた悪くさせてしまうことになるのだ。今の不安定な為替相場では、またすぐに90円台に戻ってしまうぞ、と警告せざるを得ない。それで次に90円台まで円高に進んだ時には100円台に戻す可能性は前回よりも低くなっているであろうと私は推測する。なぜかは具体的に説明できないが、何となくそういう気配のチャートの動きである。黒田氏ははっきり言って、日銀の総裁としては不適格である。市場との対話能力云々ということではなくて、それ以前に相場が黒田氏の発言後にリスクオフに振れる根本的な要因は、相場が財政緩和の指針や方針などの政策内容についてではなく、黒田氏の発言そのものの本質的な「軽さ」を容赦なく織り込んでいっているように見えるからである。そういう軽さというものは、決して言い繕いが利かないものである。だから何をどのように言っても、市場の反応はリスクオフにしかならないのだと思われる。相場に参加している投資家などのプレーヤーは、真剣勝負をしているのである。命がけと言ってもよいかも知れない。そういう戦場の中で、黒田氏の耐え難き「軽さ」に対してリスクオンに躊躇してしまう外国投資家たちの気持ちはわからないでもない。というよりも、よく理解できる。