龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

タレントの価値とマスコミの影響力について

タレントの価値と言うものがよくわからない。嫌味で言っているのではなくて、本当にわからない。私以外の人々はどう思っているのであろうか。それともそのようなことは自分の生活とは何の関係もないことだからどうでもいいことなのであろうか。N国党の立花孝志氏と騒動になっているタレントのマツコさんの年収は、立花氏の動画での解説によれば数億円以上、10億円の可能性もあるということだ。私は業界の事情はわからないが、恐らくは立花氏の言う通りに10億円ほど稼いでいるのであろう。簡単に10億円と言うが、それが本当に一タレントの価値に見合ったものなのであろうか。はっきりと言ってしまえば、TVに出ているだけではないのか。バラエティー番組など馬鹿しか見ていないのだから、視聴率がどうのこうのと言ったところで、普段から何も考えていないような大衆の幅広い支持や共感があったとしても、それが年収10億円の金を生み出すということが、どうも私には受け入れられないものである。社会システムについて無思考の人間であれば、そこに多少の不平等性を認めても世の中はそういうものだ、とか反対に夢があっていいではないかと主張するのかも知れない。それもまあ一つの見識というか、達観なのかも知れないが。しかし世の中の不平等性は確実に庶民や国民全体の犠牲の上に成り立っているのである。宝くじで10億円当たる幸運の人間がいるが、その10億円の金は、数十万人もの庶民が宝くじを数千円の金を出して集められた累計から、ごく一部の高額当選者と国の収入に配分されたものであろう。これが宝くじであれば、国民はその仕組みについて理解しているので誰も文句をいう者はいない。しかしマスコミやタレントの利権ということになれば、多くの国民はそのシステムなり構図を理解できていないままに、というよりも政治やマスコミの操作によって国民の本質への理解が阻まれるようなコントロールが維持された状態で日常感覚的に、バラエティーお笑い番組を見る皮膚感覚で受け入れさせられているものである。だから政治とマスコミは強固に結びつく親和性があるし、選挙のたびにタレント候補が擁立されたり、タレント議員がマスコミの利権を守る言論活動を展開することにもなるものである。そういう理解で立花氏とマツコさんの騒動を見れば、違った印象を持たれる人も多いかとは思うが、ともかくも今の日本人はあまりにもマスコミの洗脳が強過ぎて、個人的には分からない人には何を言っても分からないであろうという虚しさの方が少なくとも私には圧倒的である。もちろんお金だけの問題ではないが、資本主義体制の国にあって金の力は巨大である。もうすぐ消費税が増税されて10%になり庶民の生活がますます困難になっていくことは確定しているのに、TVに出続けているだけの本当に才能があるのかどうかもよくわからないような人間が年間に10億円の収入があるのである。プロ野球の選手ですら、アメリカはともかく日本でそれだけ稼いでいる選手はいないであろう。10億どころかプロ野球選手が年収1億円稼ぐことも簡単なことではないし、選手寿命はあまりにも短い。体力の衰えが見え始めてくればもう終わりである。それ以前に小さな時から野球だけの生活を送ってきて、天才とか神童などと言われて騒がれてプロの選手になっても、いざ入団すれば怪我をしたり、フォームを崩されて修正できなくなって1勝も、1本のホームランの結果も残すことが出来ずに人知れず引退する選手は非常に多いものである。当然そのような運命の選手は人生を野球だけに捧げてきたのに、野球では最低限の生活すら出来なかったということである。もちろんプロスポーツの世界にも様々な問題があるであろうが、それだけプロの世界はシビアで過酷であるということであるが、タレントがTVに出ているだけで得ている10億円なりの金には、それだけの才能や努力、希少性が反映されているのであろうか。私にはそうは見えない。単に政治に結びついて、国民を洗脳したりコントロールすることの代価として得ているビッグマネーではないのか。そこには目には見えない搾取が存在しているのである。いかにタレントがTVで夢や愛を語ったとしても、政治や報道がしていることは結局は既得権益を守ろうとしているだけであって、国民はその仕組みを意識的に否定していかないことには、貧乏人はいつまで経っても貧乏人なのである。今の政治やマスコミはその固定化をより強固にして揺るがないように番組作りをしたり、使うタレントを選んでいるということなのだ。立花氏はそういうことがよくわかっている人間なのであるが、無思考の大衆はいわゆるTV的な感覚や倫理観で表層的にマツコさんとの騒動を見ていても肝心のところで何も理解できていないか、マスコミの既得権益に籠絡されることにしかないのだと思われる。それだけ日本のマスコミの力は巨大なのである。日本の支配者は政治ではなくてマスコミなのだ。