行き止まりにして、
袋小路、吹き溜まりのような私の肉体。
もうこれ以上、どこにも行けやしない。
1ミリたりとも、先には進めない。
肉体とは限界にして
絶望という名の鈍重な終着駅。
若返ることなどありゃしない。
老いて、朽ち果ててゆくのを待つばかりの余生。
でも私の肉体の1メートル向こう側には
無限の宇宙がある。
神々がいる。
ここから先は魂の出番だ。
魂はいつも試されている。
幅1メートルの地獄と跳躍。
手を伸ばせば届きそうな永遠世界と
足下に拡がる底なし地獄をじっと見据える。
私には飛び超えることなどできそうにない。
1メートルの地獄をふわりと跳躍するだけの勇気と
軽やかな天使の羽(精神)を持ち合わせていないからだ。
堕ちてゆく恐怖があるだけだ。
地獄には堕ちたくない。
だから私は飛び越えずに、呼びかける。
言葉の力で永遠を手元に引き寄せようとする。
1メートル分の現実と超越。
無精者が孫の手で何か物を引き寄せるように
言葉という魔法の道具で
私はおずおずとして、
1メートル先の宇宙と神々に呼びかけ続けている。