龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

そこの若いの、聞いてくれ。

皮膚や人体にステロイドの影響力が蓄積されるとはどういうことかと言えば、例えれば、麻薬の禁断症状や後遺症に似ているのではないかと考えられる。覚せい剤を何年間も打ち続けてきた人間が、警察に目を付けられて、内偵捜査をされているようなので、一旦海外に高飛びして薬を体から抜くことにする。(実際に芸能界にありそうな話であるが。)それで何か月か薬を断って、尿からも毛髪からも成分が検出される恐れがなくなったので日本に戻ってくるとする。さて、この人間がその時点で薬理学的にどういう状態かと言えば、物質の分子レベルにおいては体から薬が抜けてはいるであろうが、影響力までもが完全に消え去っている訳ではない。なぜなら薬を摂取していた期間に蓄積されてきた人体への影響力は、細胞レベルで記憶されていて、使用を止めてもオーケストラの残響のように残存するからである。そしてその細胞レベルの記憶が、時にフラッシュバックとなって甦ってきたりするものである。酒やたばこなども同様であろうが、覚せい剤などの麻薬はその残存が比べ物にならないくらいに、より強烈なのであろう。因みに私は酒とたばこは実際に止めているので経験上、どの程度のものかがわかるが、麻薬の経験はないので、もちろん止めた後の禁断症状や後遺症についても具体的にはわからないが、大体の想像はつくものである。それでステロイドの長期使用後の後遺症というものは、酒やたばこなどよりも、覚せい剤などに近いのではないかと思われるものである。ステロイドを長期間使用した後に、中断したリバウンドの大変さは経験した人間にしかわからないであろうが、それに比べれば私が断酒、或いはたばこを止めた時のストレスや精神的な苦痛などは全く取るに足りないものでしかなかった。また酒やたばこを止めても何の後遺症も残らないどころか、むしろ健康になるが(実際に私は健康になってきている)、ステロイドを止めた後に崩れてしまっている体内のホルモンバランスや皮膚細胞の状態を元に戻すのは、並大抵のことではない。本当に誇張でも何でもなく、人生のある時期にステロイド外用薬を何年にも亘って塗り続けることと、それを止めて元の身体に戻すことは、まさに一大事なのである。よって皮膚科の医師はこのようなことについては、診断、治療を開始した当初において、ステロイドを処方するのであれば、きちんと患者に説明し、了解を得るべきなのである。ところがそのような説明責任を果たしている皮膚科医など、一人もいない。「一人も」である。なぜこのような重要事項の説明がなされないかと言えば、その理由は至って単純なことで、患者に余計なことを教えてしまうと、患者が怖がってしまってステロイド外用薬を使ってくれなくなるからである。それだけのことなのだ。これを犯罪的と呼ばずして、何と呼べばよいのかということだ。
最近のこと(1か月ほど前か)であるが、元妻から電話が掛かってきて、高校生の息子の両足の甲に一面に原因不明の赤い発疹が出来て、近くの皮膚科に行かせたという報告があった。それで息子に代わってもらって話しを詳しく聞いてみると、医師は息子が履いている靴に使われている金属(私は現物を見ていないので、どういうものかよくわからないが)にかぶれたか反応した金属アレルギーであろうということで、薬をもらってきたので、それを塗っているということであった。因みに金属アレルギーと言っても、特にアレルギー検査をして言っている訳ではなく、たまたま息子がその時に履いていた靴に何らかの金物があったので、そうではなかろうかと皮膚科医は(適当に)言っているのである。それで出された薬の名前を聞いて調べてみると、やはり案の定、ステロイドで5段階のレベルの上から2番目に強いベリーストロング(非常に強い)のものであった。皮膚科に掛かったことがない人にはわからないかも知れないが、一般的に世間的な常識として皮膚科医は高度の医学的知識を有しているのだから、その患者の症状に合った適切な薬を処方してくれているものだと思われることであろう。ところが信じられないかも知れないが、実際にはそうではないのである。赤ん坊とか幼児であれば、話しは別であるが、今の皮膚科はほとんどの場合は、皮膚に何らかの異常があればその原因など無関係に(というより原因などわからないからでもあるが)、ベリーストロングのステロイド外用薬を出すものである。なぜかと言えば、これは私の推測であるが(恐らくはさほど間違っていないと思われるが)、厚労省ステロイド使用のガイドラインとも関係していると思われるのだが、とにかく初期に強度の強いステロイドで一気に症状を沈静化させて、その後に段階的に弱いランクのものに、そして使用量も軽減させるようにとの指示内容があると思われる。しかし最強のストロンゲストは、あまりにも強すぎて出せないので2番目のベリーストロングにすれば、その後に3段階、下に落として処方できる余地があるので、薬の販売量を最大化させるに都合がよいからである。このような指摘に対して、まさかと思われる人がほとんどであろうが、町の皮膚科などは(大学病院や大きな総合病院でも大して変わらないと思うが)、その程度のレベルで稼働されているのである。しかしベリーストロングでも文字通り非常に強いので、長期に亘って常用すると副作用や後遺症が生じるものであるが、そのような患者への身体的、精神的負担など全く考慮されていない。これが資本主義の暴走の実態なのだ。息子の症状については、私も話しを聞いた当初はちょっと迷ったが、足の甲だけでもあったので、その程度であればまあ4~5日程度であれば、ベリーストロングのステロイドを塗っても特に問題はないであろうと黙っていたが、5日ぐらい経ってから、その後の経過が気になったので電話を掛けて聞いて見たのであった。そうしたところ電話に出た元妻が、電話口に息子を呼んで
「ちょっと、見せてみ。」と言い、息子の足甲の状態を見ながら、
「えぇー、これもう治っているんとちゃうの・・・。治ってるやん。」と言っている。
ところが、その横から息子の
「いや、まだ治ってない。」という声が聞こえてくる。
治っているようにしか見えない様子の元妻は
「えぇー。」とか言っている。
それで、私は息子に電話を代わってもらって、きちんと理由を説明した上で、そのステロイドの薬を塗ることを中止するように言ったのであった。息子は「わかった。」と了解した。それからまた1週間ぐらいして電話で息子に様子を聞いて見ると、
「治った。薬、塗っている間は治れへんかったけど、止めたら治った。」と答えた。
どうしてこのような話しをするかと言えば、ここにステロイドという薬の特徴であるとか本質がよく表れているからである。ステロイドは強力に症状を抑えてしまうので、元妻が息子の足を見て言ったように、傍目に見ると治っているようにしか見えないものである。ところが本人からすれば、自分の身体の一部なので、治っていないことがわかるのだ。息子の年齢は16歳で、人生で最も免疫力の高い時期である。ある時に何らかの理由で赤いブツブツや発疹ができても、親は心配だから病院に行けと言ってしまいがちであるが、大抵の場合は薬など塗らなくとも、いや塗らない方が、放っておけば自然治癒力で治ってしまうものである。ところが生真面目に皮膚科医のいうことを聞いてステロイド薬を塗り続けていると、見た目には治っているように見えてもすっきりと完治していない状態が継続して、ステロイドのせいで免疫力も下がり、徐々に薬漬けの体質になされていくものである。言うまでもないことだが、私には何の利益にもならないことなので、事例、症例に関しては、話しを作ったりなどしていないし、誇張もしていない。私の見方や解釈が絶対に正しいとまでは言わないが、少なくとも私はこういうことで嘘はつかない。参考になるなら、参考にしていただきたい。