龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

父子遭難の謎

まだ捜索しているのか。新潟県阿賀野五頭連峰で遭難した親子である。この情報については気になっているが、全国紙では追えないのでわざわざ新潟日報に会員登録してチェックしている。しかし、いくらなんでも未だに発見されていないのは不思議である。新潟日報の記事でようやく遭難している父子の家庭環境と登山に至る状況がわかってきた。会社員の渋谷甲哉さん(37)と長男の空君(6)は、5月4日から新発田市の甲哉さんの実家に長女と一緒に泊まりにきていたとのことである。空君の母親は仕事があったために、甲哉さんらについては行かずに一人で自宅に残っていたということだ。そして5月5日から甲哉さんは空君と松平山(954メートル)に登山に出かけた。当初、空君の母親の影が見えず、甲哉さんの父親ばかりが報道に登場していたのでどういう家庭環境になっているのかと少し気になっていたが、この報道記事を読む限りでは特に事件性の気配は感じ取れない。空君の母親は、5月6日の午後5時半ごろに甲哉さんの母親から二人の遭難について知らされたということだ。空君の母親が、直接甲哉さんから連絡を受けていれば、すぐに110番通報していたのにと強く思い、子供に何もしてやれないことを涙ながらに悲しんでいるらしい。おかしなところは何もなさそうである。しかし繰り返すが、なぜ2週間以上が過ぎて捜索は継続され、雪で覆われている季節でもないのに見つからないのであろうか。本当に謎である。そもそもこれも新潟日報の記事で知ったが、5日の夜に甲哉さんが父親の秀雄さん(73)に道に迷ったと携帯で連絡した際には、「松平山と五頭山の中間辺りにいるようだ」「民家の明かり、その向こうに町の明かりが見える」と話していたという。民家や町の明かりが見えていて、その後ビバークする場所までの道のりで方向がわからなくなってしまったのかも知れないが、6日の朝にもこれから下山すると再度、秀雄さんに連絡を入れているのである。よってその時点では救助要請をするほどは心理的に追い詰められていなかったことが窺えるので、その後に、それほど深く山や森の奥に彷徨いこんでいくとは考えにくいのである。それから当初親子は、扇山(524メートル)か赤安山(582メートル)に登っているものとして警察の捜索が開始されたのではなかったのか。当然、警察は秀雄さんからの話しも聞いているはずであるのに、甲哉さんが秀雄さんに伝えた「松平山と五頭山の中間辺りにいるようだ」の内容と矛盾しているではないのか。どうなっているのか、さっぱりわからない。

要するに警察とマスコミのいつもの悪いくせで、自分たちの責任が問われそうな部分は微妙に隠そうとするので全体像が捉え難いのである。そういうところが捜索開始の遅れや機動性の悪さにつながっているように感じられる。それでも地元だけのことはあって新潟日報も警察もよく頑張っているとは思うが、手遅れの感は否めない。