龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

世紀の茶番

予想されたことではあるが、国会の会期末が近づいてくると消費税増税法案に対する自民党の動きが変わってきて、完全に談合の様相を呈してきた。修正協議など、明らかに茶番だ。民主党は、ほとんど自民党の要求を丸呑みするであろうし、自民党は当初、要求していた解散総選挙の確約を既にほぼ撤回させている。これから法案の採決までに繰り広げられる光景が消費税増税の本性を雄弁に物語ることであろう。景気や社会保障など何の関係もなく、当初から財務省が目論む増税一色のシナリオに染め抜かれた計画であったということだ。一応、民主主義の体裁を装うために見え透いた紆余曲折を経させて、最後に一気に詰めさせようという局面に至っている。もちろん民主党の一部勢力(小沢派)や、社民党共産党などが反対している姿勢までインチキだとは言わないが、全体的に見れば、日本の政治は30年位前の八百長プロレスと何ら変わるところがない。政党だけでなく官僚やマスコミも深く関与しているので、ほぼ鉄壁の謀略であると言える。今回の消費税法案に関しては、現在の時点で冷静に分析判断すれば99%の確率で成立するであろう。前線の野田総理はともかく、岡田副総理などは、もう既に余裕の表情を浮かべている。民主党以上に、自民党が焦っているのだから当然であろう。自民党心理的に焦らせ、追い込むことが民主党の戦略なのだとすれば、その作戦自体は大したものだと言うべきかも知れないが、自民党も程度が低すぎる。国民の民主党に対する怒りの根本がまったく理解できていない。私は個人的には、消費税増税そのものに明確に反対の立場であるが、国民の総意とすれば半分くらいは賛成しているのである。しかし、消費税増税そのものには賛成であっても、前回の総選挙で消費税を上げる必要はないとしたマニフェストの下で政権を獲得した民主党が、消費税増税を実行することには、ほとんどの人が反対しているのである。なぜなら国民にとっては政策の是非よりも、国民主権の実体感の方が遥かに大切だからだ。選挙の時だけいい加減に国民感覚に迎合しておいて、権力を掌握した後は、国民不在の与野党談合で暴走するのであれば、極論すれば選挙も民主主義も不要ではないか。現に中国などは共産党一党独裁だからこそ経済成長が持続しているのである。戦後の日本も選挙こそあれど自民党の一党支配の下で経済成長してきた点においては今の中国とまったく同じではないのか。しかし今の中国の一党体制で将来的に国内統治が安定し続けるとは思えないのと同様に、日本は既に自民党の一党支配による成長が限界に達していたからこそ、2大政党制の実現が国民の間で広く希求され民主党政権誕生と相成ったのである。それが、今また官僚主導で一党支配体制に復元し、岡田副総理などが何を考えているのか、恐らく何も考えていないのであろうが、消費税という単に一政策のことで国民感覚や大局的な日本の国益を排除してまで官僚主導の政治に成功したことに会心の勝利の笑顔を浮かべていることに激しい怒りを感じざるを得ない。財政難だと言いながら日本のこの茶番の政治に我々の税金がいくら投入されているのだ。民主党だけで見ても政党助成金だけで100億円以上はあるであろうし、議員の給料や歳費までも含めれば大変な利権である。自民党も正統的に権力を取り戻したいのであれば、きちんと解散総選挙で国民に対して党の政策への支持と理解を取り付ける手順を省くなと言いたい。本当に政治とは、政治という名の金儲けに過ぎない。とは言っても、現実にはこの先、鉄板の如き一枚板の確かさで談合劇は進んでゆくことは避けられないであろう。我々国民はこの世紀の茶番を目を逸らさずに注視することが肝要である。変な希望を持ってはいけない。我々の税金はこのような馬鹿げた茶番政治で蕩尽されているのだ。そして茶番で決められた政策によって、日本はより一層、滅亡へと向かってゆくのである。本当に戦前の軍部独走とまったく同じだ。歴史は繰り返すのだ、悪魔に魅入られたように。もう、こうなれば私も悪魔に魂を売り渡したくなってくる。