龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

馬鹿の認識力

官僚が原稿を作成したであろう政治家のコメントを聞いていても何も見えてくるものはないが、たとえ失言ではなくとも何気ない政治家の発言には日本が抱えている問題の本質が垣間見られる。野田総理は韓国のイ・ミョンバク大統領が、野田総理の親書を返送しようとしたことの常軌を逸した行動に対して、「どうしちゃったんだろう。」との感想を吐露した。“どうしちゃったんだろう”の言葉には批判というよりは、ニュアンス的には自身の当惑とイ・ミョンバク大統領への擁護の気持ちが滲み出ている。おそらくは野田総理のその言葉は、儀礼的な性質のものではなく正真正銘の本音ではないかと私は考えるのだ。そして、そうであればそれなりに、いや大変な問題である。擁護の気持ちとは、具体的に言えば、イ・ミョンバク大統領は冷静さを失っているからこのような非常識な行為に出たのであって、本来の状態であればどれほど韓国にとっては受け入れ難い日本の要求であっても、一国の大統領としての品位を保った態度を取るはずだ、だから是非とも冷静さを取り戻して欲しい、と心中より希望しているのである。ところが韓国は、平然と一片たりとも冷静さを失ってなどいるわけではないと弁明する。さて、ここに国を代表する者同士の間で一体どのような種類の乖離があるのだろうか。私は外交儀礼における礼節の問題を別にすれば、イ・ミョンバク大統領の日本に対する憎悪も含めて政治的な認識と行為が一致している点においては、ある意味において健全だとも思うのだが、一方の野田総理は根本的なところで何かしら勘違いをしていると言うのか、もちろん領土問題で毅然とした態度を取ること自体は選挙目的であれ大いに結構なのだが、韓国という国の権力が未だに日本に対して持っている屈折した感情のようなものの正体を正しく認識していないという点においては、明らかに日本の代表者としては不適格だと思う。だからこそ野田総理は韓国に対して通貨スワップ協定で700億ドルという日本にとっては無茶な条件を簡単に受け入れたり、あるいは何の価値もないような韓国の国債を購入することを前向きに検討する一方で、それらの日本の経済援助が韓国大統領の竹島上陸という行動に結びつくことがおそらくは理解できていない。つまり野田総理は韓国という国の権力の本質をまったく理解できていないから、韓国への接し方を戦略的に組み立てるということが出来ないのだと思われる。消費税増税と同じで全ては財務省官僚の言いなりで自分の頭で考えるという能力が野田総理に決定的に欠落していることが、韓国の暴走を誘発しているとも見れる。心(経済援助)を尽くせば、必ず心で返ってくると信じる傾向は典型的な馬鹿の特徴だ。良い意味でも悪い意味でも韓国はそういうお国柄ではない。日本の価値観に従えば韓国は非常識な国ということになるのであろうが、韓国の国民感情からすれば、日本に金だけ出させて侮辱し続ける対応が正義だということになるのであろう。そのあたりの機微を正確に掴めていない日本の代表は、日本に不利益しかもたらさない。おそらく野田総理も最近の韓流ブームに影響され過ぎて馬鹿になったのだと思われる。日本の政治などその程度のレベルである。チャラ夫とチャラ子の学芸会のような集いに過ぎない。現実を見ない馬鹿ほど幸福な人間はいない。私も来世は幸せ(馬鹿)に生まれたいものだ。