龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

水泳選手が国際大会の場でカメラを盗むか

競泳の冨田選手の事件に関しては、多くの人の見方とは異なるようだが、私は初期の逮捕報道時点から、不可解というか怪しげな印象を持っていたものである。国を代表して海外の国際大会に参加している時に、選手が開催国である韓国マスコミのカメラを盗むということ自体が極めて異例のケースであり、動機の有無や状況を考えても不自然であることは否めない。もちろん一流のスポーツ選手の中にも病的に手癖の悪い人間がいたとしてもおかしくはないが、全体的に概観しても、どこか取って付けたようなちぐはぐな不審さが感じられたものであった。そもそも今時のスポーツ選手が、カメラなど盗むであろうか。国際大会に選ばれるような一流のスポーツ選手は、日頃からカメラに撮られることが当たり前の日常になっているものである。珍しいものや、高級なカメラを見て、魔が差すということも絶対に有り得ないことではないが、話しの筋書きとしてはどこか無理があるような気がしてならないものであった。率直に言えば、これは日本人的ではない事件なのである。日本の若者は、高画素のスマホカメラや小型一眼レフカメラを当たり前のように持っていて、余程のマニアでもない限り、ましてやスポーツ選手が、マスコミが使うようなプロ用のカメラなど欲しがらないものである。プロ用のカメラを欲しがるようなマニアであれば、その趣味の造詣の深さは自然と周りに周知されているはずであるが、冨田選手に関してはそのような話しは全く聞こえてこない。
今回の冨田選手の弁明会見の内容を読んでみて、この事件の怪しさというものを個人的にははっきりと確信したものである。確かに一般的に見れば、冨田選手の態度には疑わしさや問題がある。先ず第一に、どうして韓国の警察に窃盗を認めたのかということであるが、これは、今の冨田選手が率直に語っている通りだと思われる。犯行を認めれば示談などで問題は大きくならないが、否定し続ければその後も韓国に拘束され続けることとなり、周りにも多大な迷惑を掛けることとなる。また異国の地(それも韓国)で、どのような取り調べをされるか分からず、いつ日本に帰国できるかわからない状況となれば、やってはいない窃盗を認めて自供したとしても、私にはさほど不思議に思えないものである。また個人的な想像であるが、本来味方であるはずのJOCのスタッフまでが、韓国警察からの強圧的な取り調べや一方的な証拠提示などによって、冨田選手が窃盗したと認めなければならない有無を言わせない雰囲気の中で、現地で勇気を持って真実を述べることを許さないような流れが形成され、そこに飲み込まれてしまっていたのではなかろうか。
見知らぬ男性から異物(カメラ)をバッグに押し込まれて、廃品だと思い、そのまま部屋まで持ち帰ったことは、おかしいという声もあるが、それもどうだろうか。確かに日本国内でそのような不審な行動を受ければ、誰でも即座に対処するであろうが、スポーツの国際大会で異国の地にいる時にそのようなことになれば、呆気に取られて意味もわからずそのまま持ち歩いたとしても格別、不自然ということにはならないのではないか。冨田選手が言っているように、バッグの中にはレース用の帽子とゴーグルが入っていて、それを取り返すことが先決だったのである。それでバッグを取り返せてほっとしているところに余分なものが入れられていたとしても、慌てなければならない理由がない。仮に私が冨田選手の立場であったとして考えても、謀略や罠だという意識が働かなければ、不用品のゴミを押し付けられたとして、そのまま持ち帰ってしまっている可能性はあると思う。また罠であれば、カメラをバッグに入れられた直後に逮捕されていなければおかしいという見方があるが、そうとも言い切れないと思う。なぜなら冨田選手がカメラを入れられた時点で、もし誰かに報告しようとする姿勢を見せていたなら、その場で取り押さえられていた可能性はある。冨田選手がそのような態度を見せなかったことから、しばらくの間は放置されていたとも考えられる。なぜなら罠を仕掛けた方にとっては、その方が状況的に説得力を増すからだ。冨田選手がバッグを取り返した直後に、何か不審な物を入れられたと訴えれば(そのように訴える緊急性は何もないから、そのような状況は考え難いが)、現行犯で逮捕することは難しくなることは当然である。しかし反対に言えば、直後に訴えなかった事実から、冨田選手が窃盗したと結びつけることには無理がある。相手側の意図が分からなければ、押し付けられた物を持ち帰って何の不自然があるだろうか。爆弾かもしれないなどというのは、論理の飛躍である。爆弾かどうかぐらいは、その場で誰でも分かる。
おそらくは冨田選手は窃盗などしていない。何の圧力があるのか、何を守ろうとしているのか知らないが、JOCの姿勢にも根本的に問題があるのではないのか。はっきり言うが韓国の捜査などまったく信用できない。しかし韓国警察や、主催者に仕組まれたものかと言えば、それもどうかとは思う。推測するに、日本を陥れようと悪意を持って冨田選手のバッグを奪い、盗難品と見せかけるカメラを入れた者がいたのであるが、ここぞとばかりに韓国警察はその人間の思惑を組んだように冨田選手を犯人と決め付ける捜査をしたのであろう。そしてその韓国側の強固な姿勢に対して、JOCは疑問や異議を糺すことができなかっただけのことではないのか。皆さんはどのようにお考えであろうか。