龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

アトピー闘病記 5

医者の性格や考え方は様々であっても、そのメンタリティーは押し並べて金儲け主義の色合いが濃くなってきているようである。因みに誤解があってはいけないので断っておくが、私はステロイド剤の使用を全面的に否定している訳ではない。ステロイド否定論者としての立場から発言している訳ではないのだ。その証拠に私は花粉症の治療に毎年、1年に一度だけであるが、2月の中旬から下旬頃にあの悪名高きケナコルトというステロイド注射を10年に亘って、打ち続けてきた。(それが一昨年の5月に湿疹のアレルギー反応が出始めた以降は、どういう訳か花粉症の症状が出なくなってしまったのでそれ以降は打っていないが。)皮膚科で出されるステロイド軟膏に抵抗感や警戒心がなく塗り続けて来たのは、そういう経験を経て来ているからだ。ステロイド注射は、皮膚科だけでなく内科や耳鼻科などでも反対する医者が多い。それもやんわりと否定するのではなくて「あんな注射は絶対に打ったらあかん。」とは、直接にも人伝にも良く聞かされる医者の警告である。ところが私の個人的な経験に基づいて言えば、年に1回(2~3回でも同じだと思うが)打つ程度では何の問題もない。私は男なので、女性の生理不順であるとかの症状はよくわからないが、太ったりであるとか血圧が高くなったりなどの副作用は皆無である。どうしてあれほどまでの強固な反対の声が、それも医者の間で大きいのか私は長年の間、謎であったのである。それが一昨年に原因不明のアレルギーを発症することとなり、脱ステ開始後に何軒かの皮膚科や民間療法に通うこととなってから真意がわかってきたのだ。ついにミステリーの謎は解けたのである。皆さんにもよくお考えいただきたいが、重度の花粉症などに対してステロイドの注射を打つことに医者の間であれほどのヒステリー的な反対の声が巻き起こっているのに、ステロイド軟膏を日常的に長期間、継続して利用し続けることにはどうして反対や批判の声が全く聞こえてこないのか。どちらも同じステロイドではないか。この両極端の反応は錯綜していると言える。しかしよく考えれば、錯綜しているのは我々患者側サイドであって、製薬会社や病院にとって見れば錯綜どころか一貫した論理に基づいているものである。それは患者の健康を第一に考えるのではなてく、だらだらとステロイド剤を出し続けるに都合のよい環境であるとか医学的な見解を普及、維持させ、その妨げとなるような治療は徹底的に排除しようとする動きなのである。1年に1回ステロイド注射を打つだけで、私のように花粉症の症状が綺麗さっぱりと無くなってしまう人間ばかりになれば、鼻炎などの薬を製造している製薬会社やそれらの薬を患者に出している病院は売上や診療報酬を破滅的に減少させることとなる。実際に私はケナコルトの注射を年に一度だけ打ちに行くだけで花粉症の症状は解消していたので非常に安上がりであったし、時間の節約にもなっていた。花粉症のマーケットには私のような人間が日本だけで何百万人も存在するのである。一方でアトピー患者に対するステロイド軟膏は、だらだら、ずるずるといつまでも使用させ得る性質を持っているので効く、効かない以前に製薬会社や病院に利益をもたらす貢献度合いが大きいのである。特に皮膚科の医者などは安直にステロイド軟膏を出す以外に患者から金を取る方法は、保湿剤であるとか内服薬などがあるが限られてくる。恐らくはステロイド軟膏が稼ぎ頭なのであろう。それで、おためごかしのように強いステロイドから弱いものにランクを徐々に下げて最終的には離脱を計るなどと調子のよいことをのたまっているが、それも結局はだらだらと患者をステロイド漬にするための口実でしかない。覚せい剤と一緒でそんな理論的に簡単に離脱できるようなものではないのだ。机上の空論でしかない。また医者はステロイド注射とステロイド軟膏では身体への影響度合いが比べものにならないほど違うと強調するが、それも私の実体験で言えば言っていることの意味合いがまったく正反対である。ステロイドの危険性とは、直接、体内に注入させるか皮膚に塗るかの方法の違いによるものではなく、トータルの摂取量をきちんとコントロール出来るか、出来ないかという点にこそあるのである。その観点から考えれば分かる通り、注射が一番量のコントロールがし易く安全なのである。自分で打つことは出来ないし、病院で打ってもらうにせよ同じ病院であれば、2度目は最低3カ月の期間を空けなければ続けて打ってはもらえない。その次にコントロールし易いのが、プレドニンなどの内服薬である。これも医者は患者に出すこと自体、慎重であるし、量も医者によってコントロールされているので摂取し過ぎることの弊害は現実的にはほとんど生じない。私も実は脱ステ後の皮膚の状態があまりにもひどく耐え難かったので、別の皮膚科の病院に行ってプレドニンを三日分だけ出してもらい何とか乗り切ったものである。そして世間の常識とは反対にもっともやっかいで危険なのが実は、ステロイド軟膏なのである。大抵の医者は外用薬はすぐに代謝されて身体には残らないと主張するが、本当にそう信じ込んでいるのか、金儲けのためにわかっていて嘘をついているのかよくわからないが、いずれにせよそれは間違っている。量と期間にもよるが、全身に一定量ステロイドを1年とか2年の間、毎日塗り続けていると確実に身体に蓄積される。代謝が追いつかない分がステロイドのカスとなって皮下脂肪に一体化してゆくのだと思われる。ステロイドのカスは炎症の原因物質となるが、日々新たなステロイド軟膏を塗り続けている限りは炎症は抑えられている。しかしカスの層が厚くなり、健康な皮膚の層は薄くなって、くすんだようないやな感じの色合いに変化してゆく。そして私のように脱ステに進むと大変なことになる。まず人工的なステロイド剤の影響で副腎皮質から合成、分泌されるコルチゾールというステロイドホルモンが脳の視床下部からの指令で抑制されてしまっているので体内のアレルゲンに対して激しいアレルギー反応が一挙にぶり返すこととなるのだ。また私の症状もそうであるが元々の水銀中毒によるアレルギー反応とステロイド皮膚症による皮膚のダメージや後遺症が、身体から水銀が抜けた後も混在したようになっていて根本的な原因がすり替わるように不明確になってゆくのである。治療のための薬の残滓が新たな炎症やかゆみの原因になるという状況はとてつもなくやっかいなものである。しかし医者はステロイドの薬害を絶対に認めないので、常に根本原因を曖昧にさせたままにアトピーという一括りの概念でしか患者を見ようとはしない。皮膚科の治療とは科学ではなく、本質的には政治なのである。
(次回に続く。)