龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

偽善者と天邪鬼の見解の相違

食品スーパーで買い物をして支払いが3000円であったとすると、消費税2%分の還元は僅か60円である。60円と言ってもほぼ毎日のことだから、積もり積もれば大きいであろうが、それでも1回につき将来、60円返してもらうために、自分の全財産、全情報が記録されているマイナンバーカードを持ち歩くことは、毎日、保険証をどこに行くにも携帯しなければならない事態などよりもはるかに気が重いことである。保険証で考えればよくわかるが、病院に行くときには月替わりであれば提示しなければならないことになっているが、たとえ月に1回のことでも面倒であるし、紛失するのではないかと気にもなる。それと比すれば、マイナンバーカードを常時、持参しなければならないことの精神的な負担というものが想像できるであろう。それが嫌なら還付を受けなければいいだけだという言い草は、今自民党が進めようとしている政策の趣旨から考えても矛盾しているし、乱暴でもある。一人年間5千円なら、4人家族の世帯で年間2万円である。1世帯の1年間に掛かる生活費の合計から考えれば、2万円程度の金などはした金に過ぎない。前にも述べたことだが、その程度の金ならマイナンバーカードへの書き込みなどせずとも、世帯単位で世帯代表者の口座に振り込めばよいではないか。それで全てが解決する問題のはずである。
消費税を10%に引き上げて国民への負担を強いようとしている時に、財務省主管の何とかセンターという特殊法人を作って、マイナンバーカードの普及と軽減ポイントの管理という名目で、財務省天下りの職員に年間数千万円の給与と数億円の退職金が我々の税金から費やされようとしているのであれば(その可能性はきわめて高い)、決して許されることではない。
しかしである。だからと言って、読売新聞が要求するように軽減税率を採用しろ、その上でそこに新聞を含めよ、という二段論法は見苦しいだけで何の説得力もない。大体、読売新聞は公明党と口裏を合わせるように、公約、公約と軽減税率が採用されないのは公約違反のように騒ぎ立てているが、公約の意味するところを理解しているのであろうか。今回の消費税還元のことで見れば、低所得者層に対して負担が重くなりすぎることで多くの家計が破綻することを回避するための措置である。食品のように絶対に消費しなければ生きてゆけないような品目には増税しないということだ。目的がそこにあるのははっきりしているのだから、何ら還元をしないということであれば公約違反であるが、その還元方法については全ての事業者や国民に最も負担の少ない最適の手段が改めて検討されることは、その議題の趣旨から考えても当然のことである。それを公約違反だと批判し、軽減税率を採用して新聞をそこに含ませようとする屁理屈は、ほとんど子供じみていて精神年齢が疑われるものでしかない。そもそも消費税増税に率先して旗振りをしていたのは、読売新聞だけではないが新聞業界ではないか。そうであれば他の業界が背負っている増税の苦難を、再販制や特殊指定などで特別に保護されている新聞こそ甘んじて引き受けなければならないもののはずである。それを新聞業界の中でも読売新聞社だけがとくに酷いが、自分たちだけは特別である、自分たちは世の中を都合のいいように操作し得る特権を有しているかの振る舞いは目に余るものである。このような企業グループが毎年行っているチャリティー番組で、何の意味があるのかタレントに100キロ走らせて夢だ、希望だと歌い上げている平成日本のこの現状にたいして、金儲けのためとは言え命じられるがままに唯々諾々と100キロ走るタレントも馬鹿であれば、それを見て感動している国民(未成年者はともかくも20歳以上の大人は)馬鹿であるという私の感覚も少しは理解していただけるのはなかろうか。それとも単に私は天邪鬼なだけであろうか。別にどうでもよいことだが。