龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

悪臭漂うマスコミの正義

22歳の息子が性犯罪を犯して、その母親が被害者の元に駆け付けて謝罪したり、示談交渉を行うことは当然のことであるが、いくら有名人であると言ってもその母親を会見などの場で晒し者にして、あたかも面白がったり、世間の注目を増幅させるようなやり方は、やり過ぎである。未成年者であればともかくも成人していれば、親は親で、子供は子供の別人格であって、子供の犯罪をひたすら親に謝らせるような生き地獄の見世物は、日本では通例の光景になっているのかも知れないが、どこか間違っていると私は思う。そういうところに日本のマスコミの「いやらしさ」がよく表れている。日本のマスコミは、こういう時に地獄の閻魔大王にでもなった気持ちでいるのである。罪人やその親族を前にして、報道のさじ加減や興業的な謝罪会見での厳しい追及で、本質的には報道者ではなくて「断罪者」になっているのだ。言い換えればマスコミが断罪者になってしまっているがゆえに、肝心の報道の質は年々低下する一方であり、物事の深層や真実が蔑にされてしまっている結果となっている。これもまた日本の民主主義である。マスコミの正義感ほど性質の悪いものはない。