龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

個人的なこと

短編『不動明王』4

2度目のご祈祷が終わり前回同様、お茶をいただいていた時のことである。背後の方から「おかげさま で」という晴れやかな声が聞えた。見ると初老の女性である。事務員の男にお礼を言っている。お茶を飲 みながら話の内容をそれとはなしに聞く。前日にその女性…

短編『不動明王』3

その後、堂守の男性寺務員がお茶を入れてくれていろいろと話しをしてくれた。元気がない私を見て励ま そうとしてくれたのであろう。僧侶ではないが仏教についてはいろいろと勉強しているようだった。心に 残る、いい話しも聞かせてもらえた。“無常”について…

短編『不動明王』2

私は人生のぬかるみに首まで突っ込んでいるのである。優雅に詩など作って感傷に耽っている境遇ではな いのだ。本来ならとうに離婚していて当然で、現在妻と婚姻関係が継続していることが不自然であるとも いえる。私も正直なところ、一刻も早くあの馬鹿女と…

短編『不動明王』1

私は妻や息子と別居生活を送っている。別居に至った経緯については世間並みにいろいろと事情はあるの だが具体的には書きたくない。書いて書けないことはないと思うが、限度を越えて“げっそり”するのが わかっているからだ。たとえ書くということに何がしか…

瞑想

私は、息子が生まれた時に自分自身がもう一度この世に生まれたような喜びと感動を味わった。もうすぐ 6歳になる息子に私は今まで、文字の書き方や足し算、引き算それから水泳などを一生懸命に教えてき た。ひらがなの“あ”という文字は我々大人にとっては、…