龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

生きること、書くこと 81


原辰徳はいくつになっても若大将である。巨人・原監督がWBC代表監督に決定した。まあ何と言うか、

無理やり押し付けられたようで気の毒な気がしないでもない。

今回のWBC監督選任騒動の一幕は、先の北京オリンピックで韓国の驚異的な強さを見せ付けられた日本

プロ野球界の御長老方がびびってしまって、皆が揃って監督就任から逃げていたのだから情けない。完全

に泣きが入っていた星野仙一氏は仕方ないにしても、長年たくさんの日本のプロ野球ファンに応援しても

らって活躍し多額の金を稼いできたような名のある人物たちが、日本プロ野球界存亡の危機に際し、相手

が強いからと敵前逃亡しているようでは戦う前から既に負けている。

混迷の挙句、現役のイチローまで候補に挙げていたのだから呆れるばかりである。日本プロ野球は腰抜け

ばかりか。四面楚歌、背水の陣で戦うのが男じゃないのか。誰も成り手がいないのであれば、それなら俺

がやるという者が一人ぐらいてもよさそうなものである。日本の男が本気で世界と戦う気概がないのであ

れば、男女共同参画の精神に則ってサッチーにでもお願いすればよかったのである。よほど勝てそうであ

る。

原監督で勝てるだろうか。原監督がイチローや松坂などのスター選手を短期間で一つのチームにまとめ上

げ、総合的な戦闘能力を最大限に引き出すのはなかなか難しいのではないであろうか。私の予測では、第

一ラウンド通過の可能性は60%、第2ラウンド通過の可能性は40%である。よって70%以上の確立

で準決勝には進めない、要するにメダルは取れないということである。しかし2割から3割の確立でなん

とか準決勝にまで進めれば、それまでの勢いで前大会同様、世界一になる可能性が高いような気がする。

原のように元々物事を考えないタイプの勝負師は悩んだり迷ってしまうと脆いが、一旦勢いがついて勝利

の流れに乗ってしまうと神風のように手がつけられなくなる。また、原という男には持って生まれた類ま

れな強運があるように見受けられる。次回のWBCは原の“采配”ではなく、原の持っている“強運”が

世界の大舞台でどこまで通用するのかということが一つの見所で楽しみだ。

しかし言ってしまえば所詮は野球である。当然勝った方がいいに決まっているが、勝つことを義務付けら

れた戦いというものはどこかつまらない。私は個人的には、スリリングな真剣勝負が見れれば負けても満

足である。負ければ、すなわち相手の方が強かったのだから“参りました”と男らしく言うべきだ。

短期決戦だから力が出し切れなかったとか言うような言い訳は聞きたくない。またメディアやファンも勝

てなかった監督に対して戦犯のように執拗にバッシングするのはどうかしていると思う。オリンピックの

メダル数やワールドカップの成績に異常にこだわることは、国のあり方としてあまり上等とは言えないの

ではないだろうか。

スポーツの国際試合の結果よりも、失業率や景気回復、自殺者の増加、子供たちの安全にこそ国民の社会

的関心はもっと集中せられるべきである。スポーツへの熱狂は、深刻な社会不安を覆い隠す麻薬でもあ

る。

日本の行く末やいかに。