龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

器と大局観

未だにフジタ社員一人を“人質”として拘束し続けている中国は明らかに悪質な国であるが、このような状態で尚、国会の所信表明演説で中国との大局的観点から戦略的互恵関係を深める努力が不可欠などと平気でのたまう総理大臣には問題が大きい。偉そうに大局的観点などと言う前に、今為すべきことは、目前の人道に背く中国の不当行為を批判して国際的な世論を形成すべき時ではないのか。
やはり菅にはASEM(アジア欧州会議)で温家宝と個別に会談させない方がよい。あるいは出席自体取り止めさせた方がよいのではないのか。現在の状況に似つかわしくない軽々しい発言をしそうで心配である。能力の低い人間に限って大所高所のご高説で問題の本質と自らの責任をうやむやにしようとするから始末が悪い。人道に基づく筋道をないがしろにした国家の大局観になど何の値打ちもない。それは空洞のごとき大局である。空洞は国際社会においても所詮、空洞の重みしか持ち得ないことを自覚できない人間の発言は、日本の国益を大きく損なうものにしか成り得ない。一人の人間を救えずして何が大局だ。
日本は今後、中国との関係を根本的に再考すべきである。鳩山政権の時に決定された黄砂対策として2012年までに1兆7000億円もの資金協力を中国に対して実行するとの計画も、果たして何に使われるのかわかったものではないから即刻、中止すべきである。経済にあっても新規の投資を中国に対して行うべきではない。また日本経済はベトナムインドネシアなどの新興国への工場移転、分散を一層加速化させ、日本人は中国製商品の購入を忌避すべきだ。アメリカは中国に対して、共産党一党独裁政治から民主化路線に転換させる圧力とアジア地域全体の平和双方に対して責任を持つべきだ。それだけの計画を持てないのであれば日本の国土をいつまでもアメリカの軍事拠点として利用しないでいただきたいものだ。日本の政治もアメリカとの同盟関係を深化させるというのであれば、その程度の働きかけぐらい出来なければ深化以前に同盟の意義が問われるものである。こういう世界的、歴史的な見識を持つことこそが日本の総理大臣に求められる大局観である。菅のいう大局は責任逃れ以外の何物でもない。小さな心から小さな大局観が生じて、国民を苦しめる。
だから総理大臣の器の大きさが重要なのである。