龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

総理の資質と日本の危機

フジタ社員4人が拘束された中国の石家荘市がどういう所なのか調べて見た。石家荘市は河北省の省都であり、人口が約924万人の大都市である。郊外に国内線、国際線が乗り入れる石家荘空港があり、280km離れた北京とは京深高速道路(北京と深せんを結び総延長2300km以上ある)が開通している。石家荘駅から北京西駅まで約2時間で走る日本の新幹線に相当するCRHや3~5時間の在来線もある。その他高速バスも多数あり交通の要衝となっている都市である。また、日本の長野市の友好都市になっており、毒入りの冷凍餃子で問題になった天洋食品の近代的な大工場もここにある。
さてフジタ広報室の発表によれば、高橋定さんら4人の社員は、920日の朝に石家荘空港に到着した後、レンタカーで石家荘市内を通ってプロジェクトの予定地周辺を目指した。午前11時半ごろ予定地に近いと思われる細い道に入って進んだところで進入禁止の看板があるゲートがあり、その手前で車を止めた。進入禁止の奥に軍事禁区の表示があることに気が付かずその辺りでビデオ撮影または写真撮影をしたようである。そして、引き返そうとした時に偶然、後ろから軍関係の車両が入ってきてゲートとの間で挟まれるような格好となる。そしてゲートの中から監視の人が来て全員下ろされ、4時間半ほど足止めされた後、本格的な取調べを受けることに決まった。
以上から推察できることは、フジタ社員4人が現地視察に赴いた場所は大都市、石家荘市内からさほど遠くない距離であるものの、現地の人間がほとんど足を向けることのない町外れの辺鄙な所なのだと思われる。旧日本軍が戦時中に遺棄した化学兵器が残っている場所であるから当然、区分的には軍事管理区域ということになるであろうが、中国政府が言うところの北京を防衛するための軍事拠点などというほどの施設や基地があるような情報はどこからも出てこない。おそらくはスパイすべき価値のある対象物など何もないような所ではないのか。化学兵器処理事業は、一般的なODA案件と違って現日本政府の責任で実行されるべき義務だということは出来るであろうが、中国の為になる事業であることは明らかだから本来、関連の日本企業をスパイ扱いして調査や工事の妨害をすべき筋合いのものであるはずがない。もちろん厳密には、事前に中国政府の許可を取って許可証のようなものを発行してもらっていれば問題なかったのであろうが、当日にはフジタ社員4名の他に、現地中国人社員1名が同行していたようだ。これはどういうことかと言えば、現地の中国人ですら、わざわざ許可証を持っていかなければならないような危険区域という認識を持っていなかったということである。またフジタは今年の8月に完成している南京での化学兵器処理関連工事の一部を受注していたということであるから、既に実績があるのだ。実績があれば、それなりに信用されるであろうと考えることは当然である。中国側にしてもここまで長期間に及んで高橋定さんを拘束する正当な理由など有り得ない。以上のことから考えるに、中国政府は尖閣諸島沖の船長逮捕の問題とフジタ社員拘束は全然別の問題だと主張しているようだが、人質として未だに身柄を確保していることは誰が考えても歴然としていることであろう。
このような状況下において、日本の馬鹿総理はASEMにおける雑談のような立ち話で温家宝戦略的互恵関係の方向性で対話が交わせたと嬉しそうに、にこにこしながら帰って来た。舛添がBS8チャンネルに出演して言っていたが、きちんと欧米のメディアに向けて非民主主義国家である中国の問題と危険性について、一国のトップとして説明し理解を得る努力をするべきであったはずだ。日中の友好関係が大局的にアジア安定の礎であるとかと言うことも結構だがそれ以前に、菅は目前の個別的な外交対立にきちんと向き合うことがまったく出来ていない。今後、中国の10億人以上の人口が徐々に富裕層化してゆくとどのような事態が出来するか、菅のようなごまかしの政治感性に危機管理を期待することなど土台無理であろう。菅は総理大臣になるべき人間ではないのだ。全ての日本人と野党に警告を発したい。いつまでもこの菅政権の延命を許していると日本は本当に大変なことになるぞ。既存の世界秩序に対して従順で聞き分けの良さだけが取り柄の子供店長ならぬ子供総理の国では、日本はいつ滅んでもおかしくはないであろう。タブーを恐れずに日本は日本を守るための軍備と政治新体制を早急に検討すべきである。