龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

墨と闇

民主党が、次期政権で大連立を望む理由は、はっきりしている。別に、私が偉そうに解説するほどのことでもないし、わかっている人は多いと思われるが、一方でわかっていない人も多数いるようなのでやはり一言、言わなければならない。理由はいたって簡単で、民主党は今の状態で選挙をやりたくないのである。やっても100%、負けるのがわかっているからだ。震災復興計画を円滑に進めるなどの理由は、そういう気持ちがないとは言わないけれど、建前に過ぎないと思われる。
先の菅首相に対する不信任決議案の採決においても、菅氏が解散総選挙に踏み切る覚悟以上に、ほとんどの民主党議員が選挙を恐れていたことであろう。そのあたりの議員心理を菅氏は、当然のように見通していたからこそ、あのようなペテン師まがいの策を弄することができたわけだ。要するに自発的な退陣をあいまいにでも表明しておけば、選挙を恐れるほとんどの議員が反対票に心変わりするであろうということである。そして一旦、不信任案が否決されれば、退任の時期が明確に文書化されていない以上、どのような言い逃れをしてでも押し切れるという読みがあったのだと思われる。鳩山由紀夫は、馬鹿でお人好しだから、その茶番劇に利用されたのであろう。しかし菅首相が、延命に成功したところで、衆議院の任期は4年だから、何れ総選挙の時期はやってくる。この状態では、民主党が次の選挙で下野する運命にあるのは火を見るよりも明らかだ。だから選挙の前に、国民の民主党に対する嫌悪感などのマイナスのイメージを払拭する必要性があるが、自浄能力はまったくない。よって斯くなる上は、期限付きの大連立で政界をオール与党化することにより、国民の目を眩ませようとしているのである。そもそもこのような目眩ましの術は、人間ではなく、烏賊が得意とする戦法である。烏賊は海中で外敵に襲われそうになると、ぱっと黒々とした墨を吐いて相手の視界を妨げることによって、逃げおおす。民主党は、大連立なる闇で、国民の目を眩まそうと企んでいるのだ。まさに烏賊並みの連中である。ここで我々、国民が用心しなければならない点は、マスコミまでもが、この烏賊墨計画に大きく荷担しようとしてることだ。
マスコミはマスコミで、オール与党政治の方が、安定した変化の少ない経営環境が期待できるから本音とすれば有り難いのであろう。国内でマス(大衆)を対象とする業種と政治の関係は、基本的にはそんなものだと思われる。先日、NHKニュースで“二大政党制の危機”などと題して、一見、中立を装った内容を放送していたが、誰か知らない識者が、これまでの政党は、政党間の政策の違いに殊更、固執することが弊害になっていたと発言していたので腹が立って切ってしまった。一部分をちらっと見ただけなので全体の番組構成はわからないが、おそらくは来るべき大連立政治の伏線として視聴者を誘導しようとする魂胆があるのだと思われる。個人的にはNHKの大衆誘導が、民放よりも際立って巧妙に見えるだけに、尚更、腹が立つ。ほとんどの人はNHKのニュースは、公正中立だと信じ有り難がって、見ているのであろうな。烏賊並み連中の烏賊墨計画に、お墨付きを与えて一層、闇を深くするのがマスコミの役割というわけだ。
さあ、日本の将来のことなど気にしてもしようがないのだから一切何も考えずに、元妻と息子の3人でどこか美味しいイカ墨パスタの店にでも食べに行くことにしようか。私も何か都合が悪くなれば、真っ黒の墨を誰かに吐き付けてやりたいものだ。烏賊並みにね。