龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

世相が問うもの

小学校5年生の息子が夏休みに入ってから、林間学校に行ってきた。出発の前の日に電話すると、用意した荷物をスポーツバッグに詰め込んでいたところで
「めっちゃ、楽しみや。」と声を弾ませていた。
それで帰ってきてからまた電話して、「どうやった、楽しかったか。」と聞くと、
「楽しかった。・・・・・・いや、ほんまはあんまり楽しなかった。」と言う。
何があったのか聞くと、先生にえらい怒られたらしい。詳しい事情はなかなか、本人が言いたがらなかったのだけど、元妻にも聞いてわかったことには林間学校の宿舎での滞在中に、息子も含めた7~8人の男子生徒たちがふざけて遊んでいる内に、1人の子供に対する“いじめ”のように発展してしまったらしい。
その子は背中をちょっと擦り剥いて泣いてしまったとのことである。息子が言うには、息子は積極的には“いじめ”の部分に関わっていなかったのだけれどその輪の中に入って遊んでいて、黙って見ていたことから同じように並ばされて、二人の先生から大変な剣幕で叱られたらしい。元妻が言うには、その日か翌日には、先生から関わった生徒たちの家に早速、事情説明の電話が入ったとのことであった。
私はその話しを聞いて思ったのだが、親とすれば学校の先生がそのように真剣に叱ってくれることは大変に有り難いことである。その場で我が子がそのいじめの対象になっていた可能性も、またこの先、そういう事態が発生することも充分に有り得る。ちょっとした悪ふざけから取り返しのつかない重大な事故につながることを考えれば、叱ってくれることに感謝するのは当然である。子供たちの世界のことだから、と放任する姿勢が一番よくないのだと思う。子供の世界には常に大人の世界が映し出されている。我々親や教師たちが、自分たちの日頃の言動に責任を持てないと、本気で子供は叱れないものだと思う。本気で真っ当に子供を叱りにくい時代だからこそ、歪んだ感情やストレスが虐待となって子供たちに向かうのだとも言える。
あまりこういうことに結び付けて言いたくはないが、今の政治を見ても平気で嘘をついたり国民を言葉のトリックで騙すような心無い首相が、いつまでも権力の座にしがみ付いている状況は子供たちの教育上もかなり悪影響を及ぼすように危惧される。放射能汚染同様に目には見えぬが、官邸発の国民生活風紀紊乱だ。ところで今日の朝刊に、文部科学省が発表した「児童生徒の問題行動調査」でいじめの件数が前年度よりも増加し、7万5295件に及んだ記事が掲載された。昨年10月に群馬県桐生市で小学校6年生の女子生徒がいじめを受けて自殺したことから、いじめ把握の実態解明が児童生徒のアンケート実施増加により進んでいるとのことである。私は今日のこの記事を読んで、なるほど息子が林間学校で先生に烈火の如く叱られた背景にはこういう国の指導があったのだな、と得心した。一方で同じく今日の朝刊の別面には、川崎市の小学校教諭がわいせつ目的で小学校6年生の女児を車で連れ去り、現行犯逮捕された記事も掲載されている。本当に何ともいやな世相であり、子供たちが生き難い時代であることだけは確かなようだ。問われているのは我々大人たちの心根と性根である。