龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

利権と栄華

2年だな。いや実質的には1年か。
何がかと言えば、民主党自民党化するのに要した期間である。今やマニュフェストも捨ててしまって名実ともに旧自民党である。これでは大連立への誘惑が断ち切れずに当然であろう。国民不在の壮大な茶番政治である。自民党政治の特質は利権護持にある。官僚やマスコミ、大企業の権益を国益の中心と考えること、国民生活はそれら既得権益のおこぼれにあずかるものと位置付けることが、自民党政治として戦後半世紀以上に亘って繰り広げられてきた。その一党支配の論理が陰りを見せ始め、日本に本格的な2大政党制の政治が国民からも希求されることとなり民主党政権が誕生することとなったのである。ところが民主党政治家たちの面々は、国民を騙す嘘だけは立派なことを言い続けてきたが、結局自分たちが旧自民党政権時代の煌びやかな栄華を享受したいと思っていただけである。束の間そのステップアップの手段として国民を利用してきただけだと言える。国民を巧みに引き付けておいて、自分たちの栄華のために2年いや1年で突き放したのだ。結局、大衆が馬鹿だから仕方ないではないかと考える人も多いであろうが、しかし本物の民主主義を実現するために2大政党制政治が必要であることは論を俟たないであろうから、2009年に民主党政権が誕生したことは時代の必然というか摂理であったとも言えるであろう。その摂理を民主党議員たちが何を勘違いしたものか、自分たちにも旧自民党と同様に栄華を極める権利があると考えているからこのような体たらくとなっているのである。ここで我々国民はよく考えなければならない。民主党自民党化して自民党政治を行なうのであれば、元の本家本元の自民党に政権を返した方が、自民党内部も世代交代しているとは言え、これまでに蓄積された経験やノウハウが継承されているであろうから国民にとってもまだしも幸いであると言えるのではないか。民主党は政権を担うには素人集団に過ぎないのである。
結論を言えば、日本にどうしても2大政党政治を定着させることが無理で利権護持から離れられないのであれば自民党一党支配に戻すべきだ。そして国政の限界をよく見極めて、自民党政治の中で道州制なりのダウン・サイジングを推し進めてゆくべきだ。自民党の方が歴史があるだけ良心的であるとも言える。良心とはワインを寝かせるのと同じように、時間によってしか育まれないものであろう。今の民主党には何の良心もない。すなわち存在価値がないということだ。しかしそうは言っても、自民党も個々の議員を見れば必ずしも良心的とは言えない。個々人議員レベルで比べれば自民党民主党の境界を隔てる思想的な違いは何もない。あるのは利権追求のための対立だけだ。
さて自民党は本気で民主党解散総選挙に追い込む気迫を持っているであろうか。どうせ次の選挙では民主党が下野するのはわかっているから、増税などの汚れ仕事を民主党にやらせておいてそのあとで自分たちが権力の甘い果実をいただこうと計算しているようでは、どうなるかわからないぞ。そういう姑息な策略は全て国民に見えてしまうものである。自民党はこれまでに散々栄華を味わい尽くしてきているのだからもういいではないか。これからは本当に国民のためになる政治を志していただきたい。時代遅れの浅ましい利権政治は民主党にまかせておけばよいではないか。