龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

TPP加盟反対 5

政治も信用できないが、政治以上にマスコミが信用ならない。私と同じような感想を持つ人は恐らく多いと思われる。では、なぜマスコミが信用ならないのかと言えば、マスコミが政治的な報道に終始しているからである。マスコミが一企業として政治的な見解を表明することは自由であるが、報道が政治そのものになってしまっては国民は何を信用していいのかわからなくなる。
今回のTPPに関する報道を見ても、各TVニュースや新聞記事は慎重派の動きも一応伝えてはいるが、それでも全体的に見れば野田総理のTPP交渉参加を後押ししようとするものばかりである。後押しというと語弊があるかも知れないが、既定路線として外堀を埋めていくような報道であるということだ。国民の感情や動向をまったく無視しているものであり、マスコミが自分たちの思惑で現実に政治を動かせるのだという傲慢さが画面や記事の行間から滲み出ている。今回のTPP問題を契機として我々国民は、これらのマスコミ問題を腰を据えて追及していかなければならないであろう。日本改革の端緒となるべき対象は何よりもマスコミである。それを私はここに強く進言したい。
マスコミ問題については今後、追々述べてゆくことにして、先ずはTPPについてであるが、大切なことなので何度も繰り返すが、TPPは大げさに言えば一夜にして日本という国を根底から変えてしまう危険性の高い協定である。一旦ルールが出来てしまえば日本国内で、ああだこうだと文句を付けても、もうどうしようもないのである。安い米が入ってくるからコンビニで売っているおにぎりが安くなって幸せだというレベルの問題ではないのだ。大幅にルールが変るということは、そのルールに対応出来ない一部金持ち以外の弱者が一斉に見捨てられてしまう可能性が極めて高いということでもある。TPPとは一旦、施行されてしまえばその結果を見ながら見直したり修正が効くようなものでは有り得ない。そのようなドラスティックな協定に日本のように外交力が皆無の国が、将来的な予測も見通しもまったくない状態で今まさに飛び込んでいこうとしているのである。野田首相は国のトップであると言っても、そこまでのリスクを冒せる権限が付与されているのであろうか。選挙で国民からの信任を得たわけでもないのだから大多数の反対を押し切ってまで“博打”をする正当性がないではないか。そう、TPP加盟とは限りなく勝つ可能性が小さい博打のようなものである。野田首相は、胴元のオバマ大統領に賭場に誘われて本心では断るのが恐ろしいのである。ただそれだけのことだ。しかし、野田首相のその考えは間違っている。日本とアメリカは同盟国である。敵対しているわけではないのだから、日本のトップが自国の利益に鑑みて毅然とした態度を示せばアメリカは聞く耳も、理解する心も持っていることであろう。アメリカはそういう国である。そしてその拒否の地点からこそ本当の関係性が構築されてゆくのではないのか。金魚(どじょう)の糞のように追従することを関係の深化とは言わない。どじょうでも金魚でもよいから、糞ではない一匹の生き物としての矜持を今ここに示していただきたい。戦場の兵士のように命の危険に晒されているわけでもないのに、身体を張った思考と決断が出来ないのであれば、今すぐに日本のために辞任していただきたい。心配しなくとも日本に米軍基地がある限り、アメリカは日本との関係を見限ることなど絶対に出来ないのだから、もっと自由にフランクにモノが言い合える環境を作ってゆくべきだ。とにかくTPPは危険性が大きすぎる。到底、コントロール不可能な危険地帯に全ての国民を巻き添えにして連れて行かないでくれ。